【麻雀本】麻雀の失敗学(再)
ウザクさんが面白かったと言うてた↓から、俺も読んでみた。
ASAPIN本『麻雀の失敗学』読了。
— G・ウザク (@mjbook) July 1, 2019
すごい面白かった(*´ω`*)
個人的には、122677m567p3赤5s中中中からの打6mの解説があったのが良かった。これリアルタイムで見てて感動したから。
すげー面白かった。
最近の麻雀本の中では一番だったな。
コラムも多く、面白かったから2~3時間で読んでしまった。
すべてMリーグの実戦から取ってて、知ってる局面も多くて、楽しめた。
ただし、失敗のレベルが高すぎて普通人の感覚とは違う。
普通レベルの失敗もあるけど、そんなこと思いつきもしねーぞ?っていうレベル高すぎる反省もある。
すごすぎる!と思ったのは6番の「ドラポンされて思考放棄になってないか?」。
ハギーがオタ風のドラをポン。そのあとでをポンして切り。
そのときのハギーの捨牌がこれ↓
このはかなり不可解な手出しだ。
そのときにはわからなかったけど、このはかかどっちかからの切りで、残りの手の内はAABB(もしくは)のシャンポン形だったと読めたはず。
そう読まなきゃダメだったという反省点。
ほんまかいな(;・∀・)
ここまで限定できるもん?
ハギーの手の内にが1枚使われてることをカウントできなかったことを反省してるんだけど、これは俺には絶対に不可能な限定で、本当にそれ以外の可能性がないのか今でもわからん。
これが一番すげーなぁと思った。
有名なやつ。
成功学1。
たろうのこんなリーチ↓に、
ここから
ドラ
を切り、その後テンパイしてシャンポン待ち追いかけリーチでアガりきった局。
これウザクさんは感動したと書いてたけど、俺は普通にアリじゃね?と思ってるので、特別とは思わない。
おれがすごいと思うのは成功学2、あとがきの方。
成功学2は、じゃいの目にも取り上げられた、ここ↓からの2p残し。
ツモ チー ドラ
ホンイツ狙いからチャンタの目も残して、それに成功してノーマーク気味の待ちにしてアガりきったやつ。
あとがきは、オーラスの親番10巡目、トップ目の滝沢が2フーロの状況での、ここ↓からの7p切りのテンパイ外し。
ドラ
結果、タッキーに切りづらかったを頭にして使い切り、こんなテンパイ形↓になって、リーチして4000オールをアガりきった。
これは俺には500%無理な打ち回しで、さすがとしか言いようがない。
とくに勉強になったのは、失敗学14「聴牌料でも勝負は決まる」だ。
これは、50%当たる牌を切って5800点に振り込んだ話。
押しすぎだったという反省なんだけど、50%当たる牌を切ること自体は問題なくて、打点がけっこう高かったから、その判断がミスだったと。
マジですか…ってほどの押しっぷりだ。
この項目の最後に、ハイテイで、テンパイ者が何人いるときは何点の手に何%当たる牌まで切っていいかが整理されてる。
合理的な数値の話なんだけど、これが常識では考えられないほどの押しっぷり。
このシステムで打ってる朝倉に、「放銃は罪」思考の他の選手たちが勝てるわけないよな…ってよくわかる。
20年前と変わらない稽古の質と量がすべて主義者とは、すでに違うゲームをやってんだよね。
あと、失敗学12「麻雀は絵合わせじゃねえ」の早鳴きはダメって話。
こーいうのは場によってむっちゃ違う。
Mリーグみたいな場では、ほんと、こういうのはマイナスになるんだよな。
こうやって言語化してるのが素晴らしい。
そして、失敗学10「副露基準は面子とルールで変わる」に代表されるシステム化の話も勉強になった。
俺が昔も今も一番苦にしてる領域で、自然に対応してるんだなーって感心する。
観戦してて、甘ぇなーと思ったやつ、やっぱ本人も反省してたんだな。
ここ↓からをツモ切り。
1
初期のハギーはまったく鳴かなかったから、早々とチーしたらマンガン以上あるのは当たり前。
こんな手で無造作に切ってくって考えられん。
ここはカンの切り一択で、その後テンパイしなかったら切ってオリればいい。
このは当たりじゃないし鳴かれもしなかったけど、マンガンの1シャンテンが濃厚な相手に切る牌じゃねーわ。
納得いかなかった反省も2つあった。
1つは失敗学1。
ダンラス黒沢さんのこんなリーチ↓に、
一発でを切りきれず、その結果、アガリ逃しして振り込みになってしまった局だ。
黒沢さんにハネマンを打つと2着順落ちてしまうのだが、このは見た目ほどの危険度ではなく、押すべきだったという反省。
その根拠はいろいろ書いてあるけど、大きいのは、とあったらを先切りしそうな局面だし、彼女はそういう雀風だっていうもの。
それはそうかもしれないけど、逆に、このはどういう形で残ってた可能性があるの?って考えたら、早々とと切れてるんだから、かしかないでしょ。
チートイのときも赤引きを考えて5を残すから、チートイが濃いと考えない限り、朝倉の読みは意味ないんじゃね?って思う。
実戦って、アンコから1枚切ってのピンズ一通リーチみたいな予想外の形もあったりするんだけど、でもそういうのはかなりレアだよね。
このときはからの切りリーチだったけど、それとからの切りは同じ確率。
だから、このは45%くらいはマンガン以上に当たる牌だったんじゃねって思う。
なので、朝倉の反省は納得いかねーわ。
納得いかなかったもう1つは失敗学17「失敗してわかる思考の落とし穴」。
親のたかはるから良形っぽい先制リーチが入ってる局面で、このテンパイ↓
ドラ
ここから朝倉は切りリーチで、カン待ちに放銃した。
これ、切りすべきだったという。
たしかに、愚形で当たる可能性はの方が高いし、待ちに対しては1枚押さえるとめくりあいの勝率が上がる。
でもね、そういうのは小さな差で、良形テンパイが1種類と2種類は大差なので、そっちの方がでかいでしょ。
nisiシミュレータにかけたら、やはり切り追いかけリーチ→振り込みが正解になると思う。
これも納得いかなかったわ。
一番普通の反省が、失敗学9「思い込みは落とし穴」。
ここ↓からをツモ切りして、2000点に振り込んでしまったやつ。
2
人読みしすぎの失敗だが、これが一番普通の失敗だ。
こーいうミスをいかに少なくするかが重要なのが麻雀というゲームで、朝倉の他の反省はレベルが高すぎる。
この失敗にしても、俺なら「まぁ2000点ならいーか(´▽`) ホッ」で終わらせてしまいそう。
ちゅーわけで、本全体の感想として、すごく面白かったし勉強にもなった。
Mリーグ観戦本としても優秀なように思う。
朝倉がいかに強いかよくわかる。
文章もうまい。
複雑な情報を積み重ねて書いていき、それをそのままストレートに理解できる。
文章の流れを自然に作れてて、こういうのは適性があったんだろーね。
驚愕したのは、彼女が持ってきた50センチのブリを包丁一本でさばいて料理を5品作った話。
レベル高すぎだろ!
個人的な感想だけど、これ↓を見て、
RTに便乗w皆さまご購入ありがとうございます!
— 朝倉康心/ASAPIN (@asakurapinpin) July 1, 2019
今回の編集は金本さんにしていただきましたが、めちゃくちゃ指示や修正点が的確で、遅筆でサボりがちな自分には過去類を見ないほどスムーズに校了できました。ありがとうございました!
超精緻麻雀から8年くらい?久しぶりに全体論の本も書きたいなぁ
麻雀本をいっぱい作ることで、金ポンの編集スキルはすげー上がったんだなってしみじみした。
1つ個人的な疑問として、この本は、聴牌とか面子とか2翻役とか、麻雀用語がだいぶ漢字になってる。
なんでこんなにレトロにしたんだろ?
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コメント
この本は面白かった
竹書房の本は空白だらけのことが多いけど
この本は読みやすくて内容も詰まっていた
マイナビは中身が良くても編集がいまいち
投稿: | 2019年7月 5日 (金) 07時03分
成功学1
六切り→二六待ちリーチとありますが、二七待ちリーチですか?
投稿: | 2019年7月 5日 (金) 09時27分
>成功学1
>六切り→二六待ちリーチとありますが、二七待ちリーチですか?
そうです!
投稿: 福地 | 2019年7月 5日 (金) 10時36分