【本】フリーランス、40歳の壁
めっちゃ面白かった。
ぐいぐい引き込まれる。
著者は『サルまん』というヒット作があるし、どっかの大学の教授になってたし、偉そうなヒゲを生やしてるから、フリーの文筆家としてはうまくいってるのかと思ってたら、全然そうじゃなかった。
もともと発達障害があって、ふつうの勤め人はできない人だという。
一時は多重債務に陥りかけるが、そこから脱出できた理由は、医者のすすめるまま変な検査を受けたら死にかけて、そのときの保険金だという。
その後、どっかの大学のマンガコースの教授になるが、大学を出てない著者は多様な事務仕事をうまくこなせず、ノイローゼになりそうになり、最後に医者の診断書を見せて辞めると言ったときには、大学の人がホッとした顔をした。
そして今は起業して、電脳マヴォという無料のマンガ掲載サイトの運営に将来をかけている。
ほぼ無給というか、他の稼ぎをぶち込む一方みたいな感じらしいけど。
この電脳マヴォ、才能はあるけどプロにはならない漫画家の卵を拾い上げようとするサイトで、なかなか意義あるものみたいなんだが、月間PVが30万だそうで、この数字だとネット業界では鼻で笑われてしまうそうな。
まー、俺のブログより少ないもんな。
それに将来をかけるというのもなんだか危うそうに見えるが、それが著者の魅力だ。
この本には5人のインタビューが掲載されている。
40歳の壁をどう乗り越えたかについて。
これが人それぞれ。
そんなもんなかったという人も。
インタビュー相手は50代が多いため、若いころはバブルで超楽だったという話が飽きるほど出てきて、若い人が読んだら腹が立つんじゃないかね。
このインタビューはあってもいいけど、なくてもよかった程度の感じ。
そういえば、インタビュー相手の一人、杉森昌武さんは、麻雀で通算1億円くらい負けてるそーな(ノ・ω・)ノオオオォォォ-
あとがきの最後はこう締められている↓
本書を書き終えたいま、私は深く目を閉じ、胸に手を当てて、「なんで俺、フリーのもの書きになんか、なっちまったんだろうなあ!」と溜息をつくことしかできないのです。
中ではさんざん、勤め人は絶対に無理だの、漫画家になりたかったけどなれなくて文章書きしかなかっただの、他の生き方は無理だの書いていて、なのに最後はその否定。
ここらへんが著者のしみじみした魅力なのだな( ̄w ̄)プッ
身につまされる話が多くて、いやー、本って面白いよなーと改めて思ったわ。
フリーランスの一番のデメリットは結婚も無理ですよ(*´Д`*) できますが、40超えるとほぼ仕事なくなるので。詳細は竹熊さんの新著やツイートをごらんください。健康なキチガイ以外、やっていけませんね😵https://t.co/C8bcxdHA6P
— 山田 (@username666xxx) 2018年4月25日
当てはまってる気がまったくしねー↓(;^ω^)
ごく稀に、40歳を越えても仕事が繋がっている自由業者が存在する。そういう人は次の2パターンのどちらかが多いです。即ち「① 性格は悪いが、ヒット作を持ち、固定読者がいる」「② 性格がよく、〆切を必ず守る」
— 竹熊健太郎《地球人》 (@kentaro666) 2014年10月11日
私は35歳前に鬱になったなあ・・・。フリーランスの40歳以降は本物の実力が無いと乗り切れないんだよね・・。竹熊健太郎氏曰く「自由業は40歳越えたら鬱になる」が正しいと思う。http://t.co/PPw369f2M4
— skjmmsk (@masaskjm) 2014年10月14日
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コメント
福地さんは40歳の壁とかあったんですか?
投稿: | 2018年4月25日 (水) 10時26分
>福地さんは40歳の壁とかあったんですか?
スランプみたいなやつはあったけど、著者がいう、取引先が年下ばかりとなって仕事が減る現象はなかったよーな。
投稿: 福地 | 2018年4月25日 (水) 10時35分
「サルまん」と略するとこが通ぶってますね!w
福地先生においてはマンガ表現における物語論(ナラトロジー)の先駆者として切り込んで頂きたかった
投稿: | 2018年4月25日 (水) 14時36分
「① 性格は悪いが、ヒット作を持ち、固定読者がいる」が当てはまってると思う。
投稿: | 2018年4月25日 (水) 19時30分