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2017年8月 2日 (水)

【教育】ゆるやかな無気力

教育といったときに何を考えるかは、人によってすごく違う。
子育て、受験、非行対策、障害児教育など、ものすごく幅が広くて、全体を統括する人なんていない。
文科省の中だってすごく分かれてるわけで。

一番大きいのは「学校」だろう。
小中高の学校。
そして大学や専門学校も。
莫大な税金が投入され、そこで働いている人員もめっちゃ多い。

まさに「制度」なんだよね。
国を支える巨大なインフラ。

なので、みんなが受験テクに走らないようになり、まっすぐ科学に興味を持つようになったら、世の中がよくなるはず…なんて、フワッとした思いでは歯が立たない。

たとえばね…。
アメリカでは若者による銃の乱射事件がたまに起きるけど、日本ではまず起きない。
秋葉原無差別殺傷事件みたいなやつ。

銃が手に入らないから?
それだけじゃない。

日本って、子どもが適度に挫折するように制度が作られている。
「俺はすごいやつなんだ!」って思ったまま大人になり、初めての挫折を経験すると、ハードランディングになって世の中に適応できず、大量殺人みたいな事件を起こしやすくなる。

日本では、中学生以降は勉強の成績がランキング化される。
みんな負けを経験させられる。
スポーツやゲームでも、全国大会がすごく多い。

負けを知ることで、自分がどの程度のものなのか思い知らされるようになっている。

また小学生以降は、学級ってやつでむちゃくちゃ管理される。
※学級って、工場のオートメーションシステムと同様の20世紀的な発明らしくて、まさに人間を規格化するためのシステムだと思われるが、この話は長くなるから省略。

結果、日本の若者には「俺は天下を取る!」みたいなやつがいなくなる。
起業するようなやつが出にくい一方で、社畜の輩出と治安維持には役立ってる。

これがアメリカだと、「俺は天下を取る!」みたいなやつがいっぱいいるでしょ。
だから、すごいやつが出る一方で、ハードランディングも起きやすい。

アメリカでは、有名大学を出ただけでは知的水準を信用されず、有名大学の大学院を出てようやく信用される。
選別機能の目が粗いから。

学校って、ほどよく諦めさせる機関なんだよね。
子どもの可能性を伸ばすよりも、選別して人材を振り分ける機能の方が本質に近いから。

こういった側面を理解せず、希望にあふれたことを語っても、現実に対して力を持たないんだよな。

教育格差について、東大の自主ゼミみたいなやつに呼ばれて話をしにいった。
こんなことを言った。

学校は教育機関であると同時に託児所でもある。
先生たちが必死で面倒を見てくれるから、日本ではストリートチルドレンが増えず、反社会的な若者グループも出てこない。
教育機関と託児所の両方の側面があるけれども、どっちがより本質に近いかといったら、託児所の側だろう。
だって、最高水準とされる中学や高校でも、年間の学費は150万円とかそんなもんで、他の商サービスと比べたら安すぎる。
最高の人材を集めようというシステムになってない。
まず子どもの収容施設であることが前提にあって、そこに教育機能をくっつけてあると。

※当時は、学費が年間300万円の海陽学園がちょうどできたころ。

すると東大生の1人が、ちょっと感情的になった様子で「学校は託児所じゃないと思います」的な意見を言った。
まあ健全な感覚だよな( ̄w ̄)プッ

いかん、こんなどうでもいい文章を書いてる場合じゃなかった><

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コメント

福地先生は教育関連の話は
本当に外れなく面白いっすね
麻雀本のが売れるんでしょうけど

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 06時19分

どういう反論でそこから話がどう膨らんだのか書けよ(笑)

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 06時44分

アメリカの銃の乱射事件っていじめの復讐が多い印象を受けます。
日本でもいじめが多いから銃の所持が容易であれば乱射事件が頻発してると思います。
実際、附属池田小事件、寝屋川中央小事件、山口県立光高校爆発事件の犯人は元いじめられっこでしょう。

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 06時56分

>福地先生は教育関連の話は
>本当に外れなく面白いっすね
>麻雀本のが売れるんでしょうけど

ぼくが教育について書くとしたら分類としてはエッセイになるので、門外漢のエッセイなんて売れるわけないですねw

>どういう反論でそこから話がどう膨らんだのか書けよ(笑)

べ、べ、別に><

>アメリカの銃の乱射事件っていじめの復讐が多い印象を受けます。
>日本でもいじめが多いから銃の所持が容易であれば乱射事件が頻発してると思います。

言われてみるとそーすね。
ハードランディングの説明としては合ってなかったかもw

投稿: 福地 | 2017年8月 2日 (水) 07時06分

いや、実質託児所でしょw
高校から小学校まで遡る程に託児所度合いも増していくのでは
天下の東大生でもそんな反応してまうんすね〜
なんか学校って機関を特別視?神格化?してる人って多井気が

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 07時09分

ブラック部活問題って暇になった子供にヤンチャさせない、まさに託児所だよな

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 08時12分

ブラック部活は、思考停止して顧問(上司・会社)に従い、長時間労働上等!の社畜を大量生産するための理想的なシステム。

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 09時19分

先生、まだ教育ジャーナリストとして再デビューできるんじゃないです?
中々本質を突いた意見だと思います
ただ、これは反発する人が多数いるとも思いますけどね

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 10時26分

東大出身だけど「学校は託児所でもある」には同意
てか託児所どころか動物園でしょw
ただ、学校教育をちゃんと受けて来た東大生から反発されるのは、まあそうだろうなと思う

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 11時24分

押さえつけて、押さえつけて自分はこんなもんと

諦める人も数限りなくいると思います。
起業したら、いまよりずっと給与上がるのにと思う人がたくさん会社の奴隷となってますから。

投稿: | 2017年8月 2日 (水) 14時09分

これは記事タイトルの勝ち。つい読んでしまったw

投稿: | 2017年8月 3日 (木) 09時42分

自分は、先生の教育関連の著作物はほとんど読んでいます。

人間の能力には生まれ持った違いがあります。またどういう教育を受けたかによって、その後の成長にも違いが出てきます。しかしながら、我が国の(公立の)義務教育は、出来る子にも出来ない子にも一斉に同じ授業を受けさせ、能力ある子どもにとっても、そうでない子どもにとっても、貴重な時間を無駄な授業に費やしているように思います。
現状では、子どもの個性を見極めて教育内容を選択するのは各家庭の役割とされており、それゆえ、親の経済力や知力、学歴などによっても、子供の将来が大きく左右されています。

自分は、我が国が教育改革をするなら、まずは、小学校から能力別のクラス編成にするべきだと思っています。できる子には発展的な問題をやらせてもっと能力を伸ばすべきだし、出来ない子は、徹底的にケアして、どんどん落ちこぼれていくのではなく、最低限のことはきちんと出来るように指導するべきだと思うのです。
次に、評価は、教師自身ではなく、第三者がすべきだと思っています。教育にとって“教え方”というのは重要な要素で、教え方の上手な教師のクラスの生徒は学力が伸びるし、その逆もあります。だから評価は第三者が行い、その結果次第によっては、教師が反省をし、“教え方”の工夫をすべきだと思います。
それから、現状では義務教育に拘束される時間があまりにも長いので、例えば、午前中は必修で、午後は選択制にするなど、家庭での学習がしやすいように配慮したらいいと思っています。
教育には国を変える力があると自分は思います。
福地先生はどのようにお考えでしょうか?

投稿: | 2018年8月 8日 (水) 00時57分

>自分は、我が国が教育改革をするなら、まずは、小学校から能力別のクラス編成にするべきだと思っています。

現実的に考えたらそうなんですよ。
小学校から、ある程度はその子に合った教育にしていかないと、無駄が多すぎます。
でもね、そうやって振り分けると、将来社会的に活躍できなそうなコースになった子たちが荒れ始めて、すさんでくるんですよね。
移民のたまり場みたいな雰囲気になっちゃったりして。
難しい問題です。
どうやってもうまくいかないのが教育システムですw

投稿: 福地 | 2018年8月 8日 (水) 05時39分

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