【麻雀本】絶対にラスを引かない麻雀
通称平澤本。
読んでみたら、評判通り画期的な守備本だった。
麻雀の本でいい本ってどういうのかというと、麻雀の知識が多い人には頭が整理される本であり、麻雀の知識が少ない人には体系的に方向性を示してくれる本だと思うのだな。
俺は「情」よりも「理」に生きてるので、勇気を与えてくれるタイプの本や、ただ強くなった気分にしてくれる本よりも、明晰性への評価が高い。
なんとなくわかったようなわかってないような気分にする本はあまり評価しない。
そういう点でじつに優秀な本だった。
何度も読み返してマスターしようとする価値がある。
デジタル戦術の最先端を行ってるわ。
とにかく、読みやすいし、わかりやすい。
わかりにくいものは結局、頭に残らないからさ。
個人的に面白かったのは、ノンラス20「実力差を具現化する」と、ノンラス33「平成版絞りのテクニック」だ。
ノンラス20「実力差を具現化する」は、フーロ手に対するオリ判断ができてるなら、ドラの役牌は早めに切ってしまい、それに対する対処で実力差が出るようにするのもアリだという話。
なるほどなー。
そういう考え方もあるのか。
ノンラス33「平成版絞りのテクニック」は、下家の手が高くて煮詰まってることが明らかになると、みんなオリちゃうから、鳴かれそうな牌は切らずに、対抗できる人が現れやすくしろって話。
なるほど。
どっちも考えたことなかったけど、そういうのはあるな。
俺ができてないのは、ノンラス11「鳴かない技術」だね。
悪形残りの手で鳴きすぎてる。
ノンラス12「副露ケア」も、俺はこんなシンプルに整理してなかったから、すごく使える。
フーロ手に対するオリ判断は、巡目と手出し回数でドライな基準を作ってて、ホーリー打法みたいだった。
実戦問題は、ネマタ本2に比べると問題の面白さが劣った。
ネマタは膨大な質問掲示板を持ってるから、ふつうの人はかなわないんだよな。
最後の天鳳位座談会は面白かった。
正直もっと読みやすくわかりやすくする手段はあるんだが、これは編集技術というよりレイアウトに金を使うかだな。
マイナビの本は予算を使えないからしゃーない。
本文を書いたあとにその具体例として牌図が示されてるケースが多かったけど、その具体例がすごく優秀。
ここまでピッタリの例を並べるのって、そう簡単じゃない。
全般に福地チルドレンって感じで、少し複雑な気分になった。
俺の過去の本が評価され影響を与えてるって喜ぶこともできるし、いいところを吸収されて乗り越えられることでもある。
見つけた誤植が1個。
P125の牌図。
捨牌にがあってフリテンになってる。
何人かが不満点として、データがあるって書いておきながら、そのデータを示してないって言ってたけど、俺は気にならなかった。
俺はすでにそのデータを知ってるからかもしれないし、この著者ならごまかさないんじゃねーの?って思えたからかもしれない。
個人的な不満点は、プロフィールが簡単すぎること。
あと天鳳十段って書いておきながら、天鳳での通算成績を載せてないこと。
麻雀の強さ、実績をなんらかの形で示してほしかった。
てなささやかな不満もあるんだけど、全体としてじつに優秀な本だったわ。
コラムにあった、「雀風ってのは人間の弱さの表れじゃないの? AIが進化したら雀風なんて消えちゃうんじゃないの?」って話も面白かった。
最近は外れ本があまり出なくなったな。
ネマタ本以降は、他社から出る本もいい本が多くなって、業界の進歩としていいことのような、差をつけられなくて困るような( ̄w ̄)プッ
ドキドキしながら開いたら褒められてて安心した(´;ω;`)実際にかなり福地本は意識したというか、福地本を読んでる人にむけて書くつもりで作ったからなー。【麻雀本】絶対にラスを引かない麻雀 - 福地誠blog https://t.co/yXg6MxKVjr
— 平澤元気 (@hira_ajmja) 2016年3月17日
| 固定リンク
コメント
今日は達観しすぎてむ
投稿: | 2016年3月18日 (金) 08時38分
うむ
オニクは、なかなか、いい仕事をやっておる
連盟プロに、見習わせたい一品じゃよ
連盟プロの麻雀本は、駄作が多すぎる、
とても商業で通用するレベルのシロモノではないからじゃよ
しかし、麻雀業界は進歩したなあ
大昔は、テンパイまでドラは切るな、
ドラをきるのは、本人の責任があーだこうだ
そういう大昔の時代は、いかに間違いだらけだったか
雀鬼流や連盟、古い団体の活動の大半は、「間違いの流布」でしかない
投稿: 赤き空のハートさん | 2016年3月18日 (金) 11時11分
>麻雀の本でいい本ってどういうのかというと、麻雀の知識が多い人には頭が整理される本であり、麻雀の知識が少ない人には体系的に方向性を示してくれる本だと思うのだな。
・まさにその通り。この様に文章で表現できる福地さんは凄い。
・ネマタ本はもう一度「麻雀というゲーム」を整理し、自分の考えを検証し、まだ俺は大丈夫と安心するのに本当に有益だった。あの本を2、3回しっかり読み込めるのは、俺様くらい麻雀力が高く、かつ向上心がないと無理。
・10か所程度、意見が違う箇所があるので一度話してみたいものだw
・平澤本というのは、ネトマをしない僕に有益かは分からないが、興味は湧いた。
・成岡本は本当に待ち遠しい。
・連盟の荒さん、前原さんの本は、エッセイとして読むと非常に面白い。前原さんなんて○×性は△だけど、「勝手にしやがれ」を始めとして、筆力の高さは認めざるを得ない。
投稿: とくめい | 2016年3月18日 (金) 14時50分
データがどこにあろうがそれがそこに書いてなかっり
ソースがちゃんと示されてない物は
おまえの中ではそうなんだろうな。おまえの中ではな
って感じで他の本と差がない
それだけでその本の価値がかなり下がる
例で牌図が出てて結果がのってても薄いとこを引いた可能性が否定できないわけで
それを参考にしろって言われてもできるわけがない
データがない本ってのは考え方の参考にしかならないから
雀鬼本や連盟本と同じレベル
データが存在してるならそのデータを補足として
ブログにわかりやすくまとめてのせてほしいね
それだけで価値がかなり違う
安くなったら中古で買ってもいい本から
新品ですぐ買おうってなる
投稿: | 2016年3月18日 (金) 17時01分
明晰性ってのはかなり大事で
大多数の人がそう思うかどうかの話じゃなくて
データがちゃんとそう示してるってのが明晰性
これから本を作る人はちゃんとそこらへんを学んで理解してから本を作って欲しい
福地本の明晰性ってのはほんとこの部分
金氏はアルファ碁が打った型破りな手の一つについて、「もし韓国、日本、中国のプロ囲碁棋士1300人全員を調査しても、誰一人としてあの手を打たなかっただろう」と評した
みんながそう言うからとかみんながそう思ってるからってのはこれと同じことなんだよね
それをまじで理解してほしい
統計データがどれだけ正しいのかってのをちゃんと学んでほしい
投稿: | 2016年3月18日 (金) 17時09分
麻雀の基礎までが中級者、麻雀の駆け引きや、細かい技術が上級者への入口ですよね。俺なんかまだまだなと思う、麻雀本当に強い人ってマジ強いから
投稿: | 2016年3月19日 (土) 00時05分
ムンジャーはなんで嘘つくの?
投稿: | 2016年3月19日 (土) 03時49分
暇が出来たら平澤本、アサピン本、渋川本とかも買って勉強したいが、とにかく忙しくて本を読む暇までない、前買った2冊さえまだ完読してない位だ。忙しいとはいえ麻雀を打つ時間は作っているが
投稿: | 2016年3月19日 (土) 19時50分
ムンジャー、日本語で頼む。
投稿: | 2016年3月19日 (土) 20時45分
ムンジャー、忙しいならこんなブログ読んでる場合じゃないだろ
投稿: | 2016年3月19日 (土) 21時05分
単純に本をただ読むだけならそんなに時間はかからないのだが、完熟しながら読むというのが大切な事だから暇がないと出来ない。
投稿: | 2016年3月20日 (日) 00時34分
ムンジャーは親にも嘘つくの?
投稿: | 2016年3月20日 (日) 01時04分
ムンジャーは日本語苦手なのに本読めるの?
投稿: | 2016年3月20日 (日) 14時07分
>完熟しながら読む
→トマトかよ・・・って思ったw
( ´∀`)++
投稿: へむへむ( ´∀`) | 2016年3月22日 (火) 03時32分