【本】橘玲の小説
橘玲の金融小説を3つ読んだ。
俺は金融テクの細かいところはわかんないけど、こういう現実社会の複雑さに立脚した話は面白い。
ふつーの謎解きミステリはあまり読む気がないので。
たとえば、とある登場人物が行方をくらまし、たぶん国内にはいない。
追いかける人たちは、たぶんアメリカじゃないかと予想をつけるのだが、アメリカビザは簡単には取れないから、長期間滞在できる方法がわからない。
しばらくして、その登場人物がアメリカの投資家ビザを持てた理由が明かされる。
投資家ビザなんて聞いたこともなかったけど、その国にそれなりの現金の預金なり不動産なりを持つ者は、どの国でもけっこう投資家ビザってもんを持てるらしい。
そーゆー小ネタが随所に入っている。
そんなネタを駆使しながら、小説がテンポよく進んでいく。
これは才能だなー。
頭がいい人は違うわ。
小説としては、
マネーロンダリング (幻冬舎文庫)は最初のほうを、もうちょい短くできるんじゃないかな。ミステリーとしてちょっと展開が遅い。
永遠の旅行者〈上〉 (幻冬舎文庫)は、前半から中盤までは素晴らしいけど、後半はダレてる。ページをめくらせる力がかなり落ちてしまう。
タックスヘイヴン TAX HAVENは最後までずっと面白かった。
作家としての力量がだんだん上がってきてるんだなって思える。
最初のレベルがえれー高いけど。
よくこれだけ調べてこれだけ書けるなって心底思う。
俺にとっては信頼できる作家だわ。
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コメント
先生が読んでみようと思う本の基準は何ですか?
投稿: | 2015年10月 1日 (木) 11時26分
橘玲好きの福地ファンです。橘さんはブログの記事を加筆修正した本をよく出してますが、福地ブログの【つぶ】だけをまとめた本があったら売れそうな気がします
投稿: | 2015年10月 1日 (木) 18時47分