【つぶ】誤植への意識
俺が誤植を嫌いなのって、プロとしての姿勢とかそーいうんじゃない。
ただ性格だと思う。
自分の本、とくに自分が著者である本に間違いあるのって生理的に嫌なんだわ。
細部が雑な人って信用しないし。
あとは、もともと本が好きだからかもしれない。
俺の中で本に対する理想があって、雑なのが嫌なのかも。
ふつーの著者とか編集者って、けっこう誤植に興味ないし、本が好きとも限らない。
著者は、麻雀が得意だから麻雀の本を書くわけで、本が好きかどうかは関係ないし、会社員編集者も、たまたまバイト募集を見つけて入って、数年して社員になったケースとか、本が好きかは関係ない。
この前、この本↓を読んだら、ひらがなの誤植がいっぱいあった。
低レベルな誤植のオンパレードであきれたけど、俺は本として面白いかがすべてで、誤植が嫌とかそーゆーのはない。
読むぶんには腹は立たない。
じつは、誤植をやっきになって減らそうとする編集者がいい編集者かっていうと、そんなことはない。
一番は魅力であって、そのあとで、それをミス少なく作る作業がある。
魅力ある企画(=売れる企画)を提案しないで、ミスしたくないって、保身にすぎない。
どっちかって、ミスしたくない人は、魅力ってもんへの感度が低いね。
緻密志向って、じつはいいことだけじゃない。
今どきの出版社は、校正に金をかけない方向にきてる。
売れ行きに関係ないから。
むしろ、じっくり時間をかけてきちんと作った本って、だいたいつまらない。
鮮度が低い。
本を作るのってそれでなくても時間かかるので、情報メディアとしては世の中のスピードと合ってない。
スピーディに作らないと、魅力ある本なんてできないと思う。
俺は「時間をかけてきちんと作ろう」とか言われたら、「ああ、この人は魅力ある本を作ろうとする意識が低いんだな」って思う。
スピーディに作ると、どうしても雑になる。
俺の本もけっこう雑だ。
ただ、誤植は生理的に嫌いで、入念にチェックしちゃうだけ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
スピーディに作ると、どうしても雑になるというのは分かりますが、スピードと正確さ両方を兼ね備えているのが真のプロフェッショナルでは?
すごい人の技術は、素早くても精度高いですし
投稿: | 2015年6月30日 (火) 22時14分
プログラムは誤植=バグなので死活問題です。業界によっては億単位の損害がでてしまうので。(テストしたりツールでチェックしたりするんですが)
投稿: | 2015年7月 1日 (水) 00時16分
はいそうですねみーにん本の誤植は我慢しますこれでいいですか?
投稿: | 2015年7月 1日 (水) 11時42分
>どっちかって、ミスしたくない人は、魅力ってもんへの感度が低いね。
>緻密志向って、じつはいいことだけじゃない。
概ね同意。
何でも緻密にという人は、重要な物とそうでない物との優先度判断が苦手な人という印象が強いですね。大枠で捉えて重要な物を見出すのが苦手みたいな。
スピーディかつ完璧に作れるならそれに越したことはないけど、それは理想論であって現実的には無理なことが多く、現実に即して適切な次善を考えられるのが優秀な人なんだと思う。
投稿: w | 2015年7月 1日 (水) 16時12分
>スピードと正確さ両方を兼ね備えているのが真のプロフェッショナルでは?
いちおうそれを達成してるんじゃないかと。
>プログラムは誤植=バグなので死活問題です。
なるほどねー。
そうなると事情は違いますね。
>現実に即して適切な次善を考えられるのが優秀な人なんだと思う。
まさにそう思います。
投稿: 福地 | 2015年7月 1日 (水) 19時12分