【本】オール・イン
将棋の天才と呼ばれ、16歳で三段まで昇段しながら、そこで10年近く足踏みしてプロになれなかった人の手記。
ふっと見かけて購入し、さらっと読んでしまった。
以下、印象的だった部分の抜粋。
* * *
将棋はどんなに優勢でも、終盤に一手間違えれば大逆転が起きる。だから終盤力は棋士の実力と直結してることが多いのだが、羽生さんについては「どうしてこの場面で正確に指せるのだろう」何度思ったか分からない。もはや人間じゃなくて、ロボットじゃないかと思うほど、冷静、冷徹なのだ。
そう考えたとき、羽生さんが将棋の勉強を重ねたから間違えないのか。それとも、生き方、考え方という将棋の技術以外の部分でメンタルの強さが磨かれたのか。
おそらくそのどちらでもあるのだろうが、僕には「将棋の強さ」の本質というものが、人間の精神性と深く関わっているように思われ、少なくとも単なる将棋の勉強量、知識量だけで説明できるものではないと感じられた。
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麻雀と同様に将棋もメンタルであると。
でかい勝負になればなるほど、技術よりメンタルだよね。
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後に、僕は「この一局に自分が勝てば、相手の退会が決まる」という将棋を何度か指すことになるのだが、そのすべてに勝っている。
年齢制限というもうひとつの敵とも戦わなければならないベテランの奨励会員に対し、怖いもの知らずの若い三段は、完全に飲んでかかっている。
追い詰められてこそ力を出す、と口で言うのは簡単だが、実際にやってみるとそれほど難しいことではなかった。
* * *
麻雀も、負けられない!と顔つきが変わってるやつは養分。
俺もそういう方々のおかげでやってこれた。
土壇場まで追い詰められ、そこから逆転を狙って……みたいなのは、物語の中だけ。
強者はどんなときも常に淡々としてる。
* * *
(奨励会を退会した後の身の振り方について、1つの候補は将棋の普及活動に進む道であり)
もうひとつの候補は、プロ雀士だ。
将棋以外に何のとりえもない僕ではあったが、中学時代から入れ込んできた麻雀の腕にはそこそこ自信があった。
* * *
こーゆー人多いよなぁ。
著者は、麻雀のプロ試験を受ける直前までいったとき、将棋の普及活動を職とする道が開けて、そちらに進む。
ちなみに、受けようとした団体は不明。
なんとなくプロ連盟じゃなさそうでホッとするわ( ̄w ̄)プッ
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(奨励会を退会して1年後、著者は舌ガンになる。そこで、島朗九段にどうしてもお礼を言っておきたいと考え、時間を取ってもらった)
「我々は、将棋はあきらめが早いですけど……」
島先生は少し笑うと、次にこう言葉を続けた。
「人生は粘り強くいきましょう」
* * *
島朗さんも著者も、チュン投げというやたら早い投了をすることがあったという。
これは、この本の中で一番の名言かも。
俺は以前、島朗さんのサイン色紙を10年くらい部屋に飾ってた。
サイン色紙なんて置いてたの、そのときだけだわ。
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コメント
ガンは治ったの?
投稿: | 2014年5月23日 (金) 20時52分
プロ棋士目指してたようなのからすりゃ麻雀プロの世界なんてちょろいだろうなあ。
雀プロの中で4段棋士と同じ位心血注ぎましたなんて奴いるのかね。
投稿: | 2014年5月23日 (金) 20時58分
まさかこの本を福地ブログで見るとは
投稿: | 2014年5月23日 (金) 21時01分
非常に残念です・・・
http://amanoyoshimoto.blog.fc2.com/blog-entry-314.html
投稿: | 2014年5月23日 (金) 21時03分
彼の生き方はギャンブラーそのもの。
真剣師小池重明にも重なる。
破天荒な現代には珍しいタイプですね。
投稿: | 2014年5月23日 (金) 23時35分
なげーよフクジ
読む気がしない
うえのコメントを、いっしゅん見るに、ガンになったのかフクジ
投稿: 赤犬さん | 2014年5月24日 (土) 01時48分
朝から涙が止まらん
投稿: OH | 2014年5月24日 (土) 05時48分
さすが赤犬さん、センスが素晴らしいね。
他人のブログに来てわざわざ書くコメントが「なげーよ」。
なかなか真似できないオリジナリティです。
投稿: | 2014年5月24日 (土) 10時19分
>他人のブログに来てわざわざ書くコメントが「なげーよ」。
↑それ普段逆に赤犬さん叩いてる人が言ってるんだけどねw
投稿: へむへむ( ´∀`) | 2014年5月24日 (土) 15時33分
天野さんガン再発したみたいだね・・・
投稿: | 2014年5月25日 (日) 20時35分
最近、赤犬さんをたたく奴の方がうざくなってきた。
投稿: | 2014年5月25日 (日) 20時37分
天野さんは間違いなく才能あったけど、奨励会舐めすぎとったね
投稿: | 2014年5月26日 (月) 05時22分