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2014年5月 9日 (金)

【本】明智光秀

読んだ。
明智光秀のちゃんとした伝記は、過去3冊しかなく、これが4冊目になるという。
すげーいっぱいあるようだが、大半はトンデモらしい。

明智光秀による主君殺しは、物語の素材としておいしすぎて、江戸時代初期からトンデモの素材となってきて、ほぼすべてその路線上にある。
具体的には、江戸時代初期にベストセラーになった「信長記」。
そして昭和30年代に、伊勢湾台風の折に土蔵から出てきたとされる「武功夜話」だ。
司馬遼太郎をはじめとするすべての小説家は、そのトンデモ路線に乗ってきた。
江戸時代から戦前までは、主君と部下のありようについての精神論の素材とされ、戦後になってからは、本能寺の変の真相はこうだった的な陰謀論が盛んになっている。

この本を読んでみると、出自すらはっきりしないようで、わかるのは最後の14年間のみ。
確かな足跡を細かく追っているのがこの本の功績なのだろうが、そういう部分は各種の信長本を読んでいるのと同じ印象で、個人的に面白かったのは光秀の人物像だった。

これがすごい。すごすぎる。
かなり長くなるが、この本に載っているルイスフロイスの日本史からの引用部分をそのまま書こう。

 * * *

殿内にあって彼(光秀)は余所者(よそもの)であり、外来の身であったので、ほとんどすべての者から快く思われていなかったが、自らが受けている寵愛を保持し増大するための不思議な器用さを身に備えていた。

彼は裏切りや密会を好み、刑を科するに残酷で、独裁的でもあったが、己(おのれ)を偽装するのに抜け目がなく、戦争においては謀略を得意とし、忍耐力に富み、計略と策謀の達人であった。

また、築城のことに造詣が深く、優れた建築手腕の持ち主で、選り抜かれた戦いに熟練の士を使いこなしていた。

彼は誰にも増して、絶えず信長に贈与することを怠らず、その親愛の情を得るためには、信長を喜ばせることは万事につけて調べているほどであり、信長の嗜好(しこう)や希望に関しては、いささかもこれに逆らうことがないよう心掛け、彼の働きぶりに同情する信長の前や、一部の者がその奉仕に不熱心であるのを目撃して、自らはそうではないと装う必要がある場合などは涙を流し、それは本心からの涙に見えるほどであった。

また、友人たちの間にあっては、彼は人を欺(あざむ)くために七十二の方法を深く体得し、かつ学習したと吹聴していたが、ついには、このような術策と表面だけの繕いにより、あまり謀略という手段を弄(ろう)することに精通してはいない信長を完全に欺着し、惑わしてしまい、信長は彼を丹波、丹後二ヶ国の国主に取り立て、信長がすでに破壊した比叡山の大学(延暦寺)の全収入――それは別の国の半ば以上の収入に相当した――とともに彼にあたえるにいたった。

 * * *

光秀はキリスト教に冷淡だったようで、悪意に満ちた評価だ。
そういった悪意は差し引くとして、すさまじい人格だわ。
ものすごいやり手であることは間違いない。
こういう人って、今は年収4000万とか取ってる外資系の超やり手リーマンくらいじゃないか。
孫正義とか近いんかね?
いや、現代日本には、こういう人はいないか。
中国人なんかじゃないと。

譜代の部下がいっぱいいる中で、秀吉よりずっと後から配下に加わり、ほとんどすべての同僚から良く思われていないにも関わらず、ぐんぐん出世していった。
それを可能にした一因がこの人格だったんだな。
やっぱただ者じゃなかった。

というのが、この本の本来の売りじゃないと思われるけど、一番印象に残った部分だった。

人を欺くための七十二の方法を深く体得しているとか、すごすぎる( ̄w ̄)プッ

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コメント

昔いた会社で、割りと光秀っぽいポジション&キャラでしたw

(´∀`;)のー・・・

投稿: へむへむ( ´∀`) | 2014年5月 9日 (金) 15時05分

昨日あった、連盟の女プロの写真集のキジ、なんで削除したんや、フクジ


きほんてきに、日本は、
かつての有名な武家などの正式な記録をぜんぜん取ってない国だから、歴史上の人物も、よくわかってない場合がおおいよ


たいらのマサカドとか、お墓が5個くらいあるからね 死亡した時に、骨が動いて、バラバラになって飛んで行った、よって墓がいくつもある、とか言い伝えがあるけど、そんなわけはないから、オカルト伝承と正式な記録が、ゴッチャになっている部分が多い


西洋とかの歴史は、コウセに伝えるって考え方が、古くからあって、けっこう記録がしっかりしているんだけどね

投稿: 赤犬さん | 2014年5月 9日 (金) 15時45分

AVから伝記・・・あんたにゃ負けるw!

投稿: | 2014年5月 9日 (金) 15時53分

「織田信成を検挙したのは明智」というのは、ガセ ...

投稿: 犬赤さん | 2014年5月 9日 (金) 16時19分

石田三成も結構おもしろいんだけどなあ

投稿: | 2014年5月 9日 (金) 16時50分

明智光秀って本能寺の変の時50過ぎてたみたいすね。

人間50年の時代じゃ結構なじい様だったのと、
信長殺した後、あっさり秀吉に負けたのは事実だと思うし。

ストレスが溜まって衝動的に反乱起こしたって考えるのが筋だと思うっす。

優秀な人物だったのは間違いないと思いますけど、優秀だからこそ繊細な一面もありストレスも半端じゃなかったのかもですね。

下種な上に武将としての才能は並以下でも世渡り上手な秀吉の方が結局は天下取ったし。そういう所今も昔も変わらないんだなって思います。歴史の面白い所ですよね。

ちなみに一番好きな武将は石田光成と島左近のコンビです。

投稿: 膿 | 2014年5月 9日 (金) 17時25分

織田信成のデマ信じちゃった辺り、
ふくちんこは権謀術数に長けてないな。
茶会に誘われて真っ先に毒入りのお茶を飲んじゃうタイプw

投稿: | 2014年5月 9日 (金) 21時59分

NHKの大河ドラマ狙ってんすか?

投稿: | 2014年5月10日 (土) 00時21分

ルイスフロイスの手記おもしろいよね
宣教師の手記はどこを読んでもおもしろいのがすごい
彼らはエリートだから文才があるのも当然か
青空文庫で
当時の宣教師たちの手記全公開してくれないかな

投稿:   | 2014年5月10日 (土) 03時39分

麻雀理論研究のちゃんとした本は、過去3冊しかなく、これが4冊目になるという。
すげーいっぱいあるようだが、大半はトンデモらしい。

って書き換えても、そうかも?って思える

投稿: | 2014年5月10日 (土) 05時14分

明智光秀が本能寺の変を起こした理由は何なのでしょうか。織田信長への個人的怨恨、戦国大名としての下克上、計画性のない突発的な行動、四国の長曽我部氏との連携なども見据えた長期的な計画性。これらを含んだ複合的要因。あるいはそのほかの原因。解明は難しいのかもしれませんが、福地誠さんの個人的見解を伺いたいです。

投稿: | 2014年5月12日 (月) 20時28分

>ななしさん

俺の個人的な見解って…、それは荷が重いっすw
この本もそうですが、単独犯行説、偶然&成り行き説ですかね~。

投稿: 福地 | 2014年5月23日 (金) 20時55分

5月12日に明智光秀の事について質問した者です。回答していただけるとは思ってもいませんでした。貴重な意見有難うございました。

投稿: | 2014年6月15日 (日) 00時38分

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