【つぶ】子どもが家を出ていく
娘1号がこの春に大学を卒業し、決まってる就職先は転勤族の世界。
まずは愛知県に行くことが決まっている。
今は旅行に行ってるんだが、なんとなく家が静かな気がしてしまう。
いるときだってそんなにうるさくないし、俺との会話も多いわけじゃないんだが。
なんつーかね、知識や事実じゃなくて、感情として、アラフィフってこーゆーもんかって初めてわかる気がする。
昔の同い年のダチが、数日前によこした電話で、以前の奥さんとの子は小6で、今の奥さんとの子は6歳、3歳、1歳だと言ってたし、今も間違いなく独身で子なしだろうってダチもいるし、人によって状況は違うんだけどね。
俺の人生は後半戦なんだなってしみじみ思う。
ここ数年、かなり好き勝手に生きてきたように思うが、これからはもっと好き勝手に生きよう。
ここ1~2週間、出版の仕事ばっかしていて思うのだが、そろそろ雀ゴロは切り上げて、売れない作家とか編集者として生きるほうが充実感あるんじゃねーかとも思う。
本ってもんが好きなので。
過去5年、あえて雀ゴロの道を来たけれども、そんなのふつーの人は20代で切り上げることだもんなぁ。
* * *
俺は20歳になった直後、ある日ひょいっと実家を出て、大学の寮に入ってしまい、それ以来、実家に住むことはなかった。
ちゃんと入寮許可を取ったわけじゃなく、ある日ひょいっと住みついてしまう形で。
親には何も相談しなかった。
何か言ったかどうかも覚えてない。
子どもってホント勝手なもんで、自分の都合だけ。
子どもを育てるなんて、これほど割りにあわないことってあるのかね。
そんなふうに思ってきた。
その一方で、俺は実家を出たときに、人生ってこんなに楽しいものかって鬼のよーに感じてたから、戻る気はさらさらなかった。
飯を食うとか、洗濯をするとか、そういう日常の作業が小さな喜びに満ちているって初めて知ったわ。
それまでは人生が始まっていなかった。
寮に住み始めてすぐ財布を盗まれてしまい、1週間を500円くらいで過ごすことになって、飯も食えなくてあっちゅーまにやせてしまったりしたんだが、そういうのも全然つらくなかった。
人生って、人生らしいことがいろいろ起きる。
実家は温室だったけど、そこでは「お前はきゅうりだぞ、きゅうりだぞ」って育てられ方しかなくて、俺はどっちかってじゃがいも系の野菜じゃないかと思うのだが、きゅうり専用ビニールハウスの生活が、すごく苦痛だったんだな。
そんなに意識してなかったけど、親との関係は決して良くもなかったという。
きゅうりとして生きてる人は、きゅうりしか育て方がわからないわけで、そこに勝手に生まれ落ちて、「俺はじゃがいもだ!」って主張されても困ると思うんだが、まぁ人生ってそーゆーもんだからしょうがない( ̄w ̄)プッ
自分は親としては、「お前はきゅうりだぞ」系のこと言うタイプがすごく嫌いだったから、そういうこといっさい言わないように自分の感覚をリセットするように意識してしまったけど、親って二人までしかいないもんだから、もうちょい主観的&感情的でよかった気もする。
女ではあまり見ない気がするけど、「うちの子だったら」的なこと言う男って多いもんで、そーゆーのが嫌いすぎて。
自分が勉強できた人は、子どもにも勉強できることを期待してるし、デザイナーやってる知人は、子どもに美術的センスを期待してた。
子どもだって他人だというのに、よくもまぁ好き勝手に、ブランドきゅうりであることを期待するもんだわ。
俺は自分が規格外に頭がいいとわかっているし、でもそれはツールにすぎなくて、自分でもそのツールをまるっきり活用できなかった時期もあるから、好き勝手なこと言う気にはまるでならん。
俺と同い年の親戚なんて、親の重圧系で自殺しちまった(たぶんね、真相は不明)。
彼の人生には、俺が大学の寮に住みついたような瞬間が、ついにこなかったんだろう。
* * *
さて、そんな後ろ向きの話はいいとして。
若いダンスの先生とか、出版社のネーちゃんと接するたびに、娘1号はどういう社会人生活を送るんだろうって思ってしまう。
ダンスの先生には、アイドルの道を行くみたいな、ふつーの人にはない強さがあるから、あーいうのは無理だろう。
出版社のネーちゃんは、見かけによらず頑固で、自分の感覚へのこだわりが強いけど、娘1号はふつーに染まって、ふつーに適応してやっていきそう。
知り合いのシングルマザーが、子どもが働いてる店(販売系なのだが)に行っては、ときどき仕事ぶりを遠くから眺めてしまうとゆーてた。
学級参観みたいな感覚でと。
そういうのわかるな。
そんな機会もないとは思うが。
まぁ娘1号のことはしみじみ思うことであって、大事なことは、俺がこれからどう好き勝手に生きるかだな。
昨日、ヒップホップのチーム練があって、俺は先週、自分としてはかなり練習していったんだが、(俺に言ったのかわからんけど)リーダーから「みなさん、今週は練習しましたか?」の言葉がw
ダンスは向かなすぎるわ( ̄w ̄)プッ
でも楽しいね。
一人でやってるよりチームってさらに楽しい。
ここ2ヵ月くらい余裕なくてチーム練以外はいっさい出てない気がするけど、これだけは絶対に休めない。
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コメント
俺先生のこういう記事好きですよ。
そろそろ雀ゴロは卒業!違法賭博してる自覚が出来ましたか?
みんな麻雀がより良い物になってるのを待ってますよ。
麻雀好きの若いものが道を踏み外すのを見て、不感症になるのにも飽きてきませんか?
期待してます。
投稿: | 2014年3月16日 (日) 11時34分
雀ゴロでは充実感得られないかw
>>俺は自分が規格外に頭がいい
これ次の記事で語ってくれよ
投稿: | 2014年3月16日 (日) 11時34分
子育ておつかれさま!
振り返ってみて、親になればわかる 言説的なことあった?
投稿: | 2014年3月16日 (日) 11時40分
今回は、むちゃくちゃ内容のある話でしたw
ええと、これからは、麻雀じゃなくて「人生」を語る本を作ってください!w
>そんなのふつーの人は20代で切り上げることだもんなぁ。
これ大事!
(・∀・)ダイジ!
投稿: shio | 2014年3月16日 (日) 12時46分
きゅうりとじゃがいもで例える辺りがとてもちんこらしい
投稿: | 2014年3月16日 (日) 13時09分
ついこないだまで、いよいよマジもんの雀ゴロになってきた!とかいってたのに
雀ゴロの醍醐味はまだ味わってねえだろ
よもや「老後」なんて言い出すんじゃねえだろうな、え?福地。
投稿: | 2014年3月16日 (日) 13時16分
ビンタ麻雀についていけてないらしいが、大負けして「俺もう麻雀やめゆ!」っていうのとどう違うの?
投稿: | 2014年3月16日 (日) 14時08分
今回の記事いいっすね。
感覚や思考を文章に置きかえるのって難しい。
こういう記事を読むと、先生がプロのライターなんだというのを実感します。
投稿: 青い鷹25 | 2014年3月16日 (日) 14時29分
福地の人生は面白いと思う。いつか本にして面白いように書いてくんねーかなとか思ったりするけどもそんなんできるのもその業界での一握りの天才チックな人だけだしなぁ。
投稿: 放銃ロケット | 2014年3月16日 (日) 14時38分
最近店を変えて(メンバー)独り暮らしを始めてからお母さんからよく電話がきます。
こんなある意味しょうもない仕事しながら心配かけてんだなぁと、しみじみ。
投稿: シロ | 2014年3月16日 (日) 15時20分
なんか、金と体力があれば福地先生と飲みに行って色々聴いてあげたくなったw
まあ、金も体力もないけどw
(´∀` )のーん
投稿: へむへむ( ´∀`) | 2014年3月16日 (日) 15時57分
フクジは、中年世代だから、言っておくけど、
いまの日本社会を、「先進国の社会」とは、思わないほうがいいよ
海外の先進国から見て、
いまの日本の平均的労働は、後進国の労働と、完全に同レベ
いまの日本は、会社すべてのうち、
ブラック企業が全体の3割、準ブラックのグレー企業が全体の5割と言われていて、
8割は何らかのカタチでブラックに染まっている状態
その娘には、
ブラック労働への危険性を示唆しておくほうがいい ブラック企業に就職して、自殺するヤツは、たいてい、親が途方もなく馬鹿か無知なのが原因
いまの日本は、世代格差が非常に強く、
老人世代の認識も×、中年世代の認識も×、という、極端な時代の変化がみられる
ようするに、
社会について、楽観視しないほうがいい、ってこと
日本経済は長くは持たないから、沈む船に乗ってるってのは、つねに頭に入れておかないと駄目
投稿: 赤犬さん | 2014年3月16日 (日) 16時01分
細かいようだけど訂正な 5歳 1歳10ヶ月 1ヶ月の三人
人生後半戦なんて言うけどいつ新しい人生になるとも限らんし
今ある能力を生かしながら前と足下を見てりゃ良いんじゃ?
子育てで『ブランドきゅうりであることを期待する』ってのは同感だな。
自分自身でさえ思った通りに行かないのに子供に期待する親が多い
まあおれ自身が一回は腐りかけたきゅうりだったから子供への期待は
酷い廻り道はしないで欲しいくらいだな。同じ失敗はしないで欲しい。
さすがに80歳まで仕事を『しなければならない』状況は避けたいし。
まあ、いまの所はそんな事を考える暇も無く家では忙殺されてるが。
ふくっちゃん、まずはお疲れ様でした、●●ちゃん御目出度う。
投稿: かいじゅう | 2014年3月16日 (日) 21時43分
きゅうりとジャガイモの意味がむつかしすぎる…。
ヤセとデブのことか?
投稿: カルワイヤ | 2014年3月16日 (日) 21時48分
温室じゃないと育たない奴と蒔いたら自分勝手に育つ奴ってことでは。
投稿: | 2014年3月17日 (月) 00時38分
かいじゅう氏のコメントで以下の部分
※
※ 子育てで『ブランドきゅうりであることを期待する』
※ ってのは同感だな。
※ 自分自身でさえ思った通りに行かないのに子供に
※ 期待する親が多い
※
ってのはスゴいよく分かる。
俺の親はそれを拗らせ過ぎて立派な毒親になっちゃった。
投稿: むらむら(´∀` ) | 2014年3月17日 (月) 00時45分
麻雀のどーでもいい話中心の中に
こういう記事をスッと入れ込む感覚とかは
本当に上手いと思います
投稿: | 2014年3月18日 (火) 00時11分
福地さんのご両親はご健在ですか?
投稿: | 2014年3月18日 (火) 01時36分
きゅうりとして育てられたのが嫌でじゃがいもとして生きてきたつもりだったけどやっぱり自分はきゅうりだと30ぐらいで気づきました。
30過ぎてから親と同じ道を遅まきながら生きてみたら自分がどれだけきゅうりかという事がよーーくわかりました。
自分が職場で働いている姿がふと窓に映った瞬間、上司に対して言ってるいる事、部下に対して言っている事。全てが姿形まで全く同じなきゅうりです。
不肖の息子だとずっと親にも周囲にも言われて生きてきました。親に似ない事は悪い事だそうです。俺は似てないと思ってましたがどうやらそっくりなようですww
ただきゅうり以外ありえないという育てられ方は嫌だったので子供には「じゃがいもかも知れないけど多分きゅうりだと思うよ?」と言おうと思ってます。
投稿: | 2014年3月18日 (火) 20時45分