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2011年11月22日 (火)

【本】賭博の日本史

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知人との会話の中で、これは読んでなかったなと思い出し注文。昨日届いて何分の一か読んだ。

この本の内容は、題名通り賭博の日本史なんだが、著者の言いたいことつーか問題設定としては、賭博観は時代によって変わるってこと。

今では、賭博=悪というイメージが強いが、それは明治以降の政策によるものであり、時代と政策によって揺れ動くと。

たとえば、江戸時代には、賭博を知らないのは野暮であり、百人のうち十人あるかないか、という文献などがある。もちろん江戸時代でも時代によって違うわけで、後半の時期には、ほとんど野放しの状態になった。それが明治時代になってからの弾圧にもつながるのだろう。

まだ歴史的な部分は読んでないんだが、日本史上、文化的なもので勝負がつくものはほとんどが賭博だった過去を持つみたい。連歌、茶などは賭博の手段だったという。

考えてみれば、いつの時代だって人間は変わらないわけで、昔の武士や貴族だって、頭の中は金とエロと権力だよな。その形式の部分が今では文化となって残っているわけ。たぶん、仏教的なやつ以外は、たいがいの文化は賭博絡みだったんじゃないのかね。

同著者の賭博 3 (ものと人間の文化史 40-3)にはさらに詳しく書かれているのだが、明治以降では、2つの事件が賭博史的には大きかったとされている。

1つは明治期前半からなかばにかけての自由民権運動。これはいってみりゃ革命にもなりかねないもので、政府は弾圧に苦慮した。当時は職業的な博徒ってのがいっぱいいて、彼らは革命勢力の中核でもあった。とくに関東地方は博徒がすごかったという。半農半博とか半商半博みたいなやからが鬼のようにいたらしい。博打って何も生産しないから、それでなぜその地域社会が成り立っていたのか疑問なんだけど、北関東などは人口の相当の割合が博徒だったという。

賭博罪は彼ら弾圧するために作られ、それが現在の賭博=悪というイメージにつながっている。

もう1つの大事件は、戦後すぐの公営賭博の開始。それまで禁止されていた賭博を国が胴元になってやるということだから、これは大激論になった。国会で賭博は是か非か議論され、賭博罪は違憲ではないか、公営賭博は違憲ではないかなどの裁判がいくつも起こされ、最高裁判決も出ている。

ちょっと引用してみよう。

 * * *

賭博罪は憲法第十三条および第十四条違反であるという上告がその後も幾度かなされたが、いずれも、「国又は地方公共団体が主催する所論のような行為は、立法政策上許容されている」(最高裁判決昭和五〇年一一月七日)、「私人の行う賭博行為の当罰性を否定すべきか否かは立法政策の問題」(最高裁判決昭和五三年七月二一日)、「私人が行う賭博行為を処罰の対象とすべきかどうかは立法政策の問題であり憲法適否の問題でない」(最高裁判決昭和五四年二月一日)とされている。しかし、このように執拗に疑義が出されたことには注目しなければならない。

憲法十三条は〔個人の尊重と公共の福祉〕、同十四条は法の下の平等を述べたものであるが、競馬や競輪等はこれらに抵触しないという判決である。競馬や競輪、競艇が人気を得てファンと売上げが急増していくなかで、その後は最高裁で違憲かどうかの議論はなされなかったようである。「立法政策上の問題」という表現には、講和条約発効後もアメリカに従属した政策を継承した高度な政治的判断を示唆しているのかもしれない。

 * * *

こうして見てみると、公営ギャンブルはOKで私人はアウトという理屈は全然成立していないように思える。というか、最高裁自体が倫理性についての議論を回避している。

公営ギャンブルの発端は戦後すぐの宝くじで、とりあえずやってみたら、むちゃくちゃ売れて国の財政に大きく寄与したところから始まっている。その当時は日本は独立国ですらなく、政府にはまったく金がなかった。だから、理屈はともかく金が必要なんだって背景は理解できる。その宝くじをきっかけとして、競馬、競輪と増えていった。裁判所というのは、理屈として正しいかどうかだけを判断すべき機関で、政治的な判断は管轄外というのが日本の三権分立の仕組みなのだが、現実にはそうでもなく、国が金を必要としている状況には口を出せなかったんじゃないか、それも無理ないかなと思える。

ただ、最高裁判決が昭和50年代になっており、これはもう高度成長期も後半の時期だから、なぜ公営賭博の判決がそこまで遅くなって出されているのか疑問だし、その時期になってもその見解かよって気はする。

そして印象的だったのは、暴力団が地域住民に私設馬券を強要した話だ。

人口9万人あまりの千葉県木更津市で、街の三分の一が被害者となり、「借金のかたに店を取られた魚屋、小料理屋、倒産した旅館、店を奪われ自殺未遂を図って中央病院に入院した建材業の社長、息子の借金を返すため親戚、知人から金を借り、返済できず焼身自殺した元漁師、さらには木更津市の元収入役までもが息子の借金返済のために家や土地まで売った」(田原総一郎「月刊労働問題」一九七四年六月号)という。自己責任的な借金ではなく、無理やり購入を強要され、顔見知り程度の知人の借金の保証人も強要され、断ろうとすると山中に連れ出され日本刀を突きつけられるというひどさだった。

近代国家とは思えない状態で、まあ普通の人ならドンビキだろう。こういうことが日本のあちこちでおきていたと思うと、賭博=悪というイメージも無理ないかなと思う。この時期は、暴力団の主要な資金源が、博打から、麻薬密輸、銃器密輸、企業恐喝にシフトしつつある時期で、まだ博打の比重は高かった。博打で勝とうというのはプレイヤー側の発想で、確実に大きな金を作ろうとすると、こういうことになるわけだ。

この時期の刑法犯中の賭博は年間7千人等で、今は2百人とかそんなもん。それも野球賭博など。なので、犯罪の構成比が完全に変わっており、賭博という行為の社会的な存在感は果てしなく落ちているのが現状。

ここでもう一度著者のメインの主張に戻ろう。著者は賭博観は時代によって変わるとして、現状を過去から照らし出す。時代によっても階級性があって、支配階級と被支配階級は好む賭博の種類も違っていた。そして支配階級は賭博を楽しみながら、被支配階級に対しては部分的に禁止してコントロールする歴史であったとする。今の「公序良俗を乱し勤労の美風を崩す」という賭博観は、典型的な支配階級が被支配階級に対するプロパガンダであるとして一笑に付す。

著者のスタンスは学者であって、賭博罪を撤廃しろと主張する本ではないのだが、現状が適正な状態であるとはまるで思っていないらしい。

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コメント

久々にライターモードか。更新さぼってんじゃねーぞ!

投稿: | 2011年11月22日 (火) 16時13分

ここに来てる人達は、こんな小難しいのは期待してないよね。
チンコもっとマーケティングがんばれ。

投稿: | 2011年11月22日 (火) 17時24分

某真性ボンボンの元会長様が賭博で破綻してるの見ると賭博=悪だと思いますけどね。
ギャンブル依存になるとどれだけ金があっても破綻するという現実を反映してる典型例だと思います。

投稿: | 2011年11月22日 (火) 21時20分

オリンパスのおっさんがチンコ並みにふてぶてしい件

投稿: | 2011年11月22日 (火) 21時59分

最高の賭博である株式やFXがOK、警察を絡めたパチンコはOKなのにそれ以外の小博打が禁止されてるってのは実際、よくわからんですよね

投稿: | 2011年11月22日 (火) 23時08分

おっ、いよいよ国家権力を挑発っすか?
実は麻雀ライターとしてのハクを付けるために捕まろうとしてるだろw

投稿: | 2011年11月22日 (火) 23時54分

まあ法律的にどうだとか倫理的にどうだとか言っても結局は国がどう判断するかどうかでしょう
国が利益になると判断すればそれこそ法律を変えてでも賭博を導入するでしょうし、ならないと判断すれば賭博は導入されない
現状フリー雀荘が与える影響というのは微小過ぎて国が動く可能性は皆無でしょうね
たとえ歴史がどうであろうとも、仮にこっちに倫理的な正当性があったとしても国に与える利益というものがない以上いくら声を上げてもどうにもなりませんよ

投稿: | 2011年11月22日 (火) 23時57分

法律がおかしいから直せよって話じゃないの?
国って誰の事って感じ。関係省庁の公務員と政治家の事なんだろうけど、まあお前はこの国とはなんの関係もないんだろうな。

投稿: | 2011年11月23日 (水) 01時37分

ここで言う国とは行政府及び国会です
法律がおかしいから直せよと言ったところで行政府や国会は取り合ってくれないということを言いたかったのです
極論すれば国民の99%が賭博を合法化してほしいと思っていても国がノーと言えばそれまでです
そして法律を直させるためには法律を変えるに足るメリットを国にアピールする必要があります
ところが現状の麻雀界ではいくら声を上げても無意味だと言いたいのです

投稿: | 2011年11月23日 (水) 03時51分

要するにこういう話するなって事?賭博罪に関しては、行政府及び国会に影響がない限りあらゆる話は無意味だからするなとw
する意味がないと思う分にはいいけど、じゃあそう指摘する意味はあるの?そんな指摘をするのは無意味だと言いたいのです

俺はこういう話自体面白いと思うんだけどねえ。

投稿: | 2011年11月23日 (水) 04時08分

チンコ、てめえ第三者持ち出して、自分のデカピンを正当化するつもりだろ。
魂胆が見え見えなんだよ。
逮捕まだかよ。


投稿: | 2011年11月23日 (水) 05時10分

たまに書評のほうも更新していただきたいと思って
いたので嬉しいです

投稿: | 2011年11月23日 (水) 08時47分

長いから3行で頼む

投稿: | 2011年11月23日 (水) 13時16分

せっかく長文書いたのにくだらねえレスばっかりでちんこ涙目だなwwwwwwwwwwもうブログ引退するかwwwwwwwwww

投稿: | 2011年11月23日 (水) 16時28分

わりとどうでも良い

投稿: | 2011年11月24日 (木) 04時54分

そんな江戸時代の話持ち出さなくても、法律は変わるもの。

つい70年前にはお国の為にアメリカ人殺すのは英雄だったけど、今やったらただの犯罪。

それと同じだけのこと。

今、賭博は犯罪。現行の法律が気に食わないなら、法律変えるか、日本人辞めれば?

投稿: | 2011年11月24日 (木) 23時33分

自分を正当化してるとしか思えないよ

だめなもんはだめなの

投稿: 福田 | 2011年11月25日 (金) 05時43分

おい、チンコ記者 こんなチンプでチンケな独りよがりネタはボツだ 神奈川の消防団員がパクられた。事件の概要を集めて来い もっと自分の足を使え

投稿: 瓦版編集長 | 2011年11月25日 (金) 17時26分

70年代の木更津半端ねえwえげつなさすぎw
恐喝以外の何者でもないw

自己裁量で賭けられるって、素晴らしいことなんですね

投稿: | 2011年11月28日 (月) 01時04分

まあギャンブル依存症にしろ,眠剤中毒しろ,そういう傾向にある人達はだいたい何かしらに依存しますからね。ピン麻雀程度合法で良いですよね。宝くじに比べたらよっぽど良心的なギャンブルです。

投稿: | 2011年11月29日 (火) 18時26分

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