【麻雀】成績を決めるもの
いま天鳳系の麻雀ブログでは一番面白いとされるたらこちゃんのブログで、俺の天鳳名人戦の麻雀がこう評されていた。
麻雀はクソ鳴きだらけのミスだらけだが、46歳の年の功かなぜか致命的なミスをしない。
そんなにミスが多いのかドヨーンってまずは感じたが、その一方で、外から見ても俺が意識してるスタイルがわかるんだなーとも思った。
リアル麻雀では正着打マニアになるよりも、着実にどぶさらいを続けることが大事って以前書いたけど、同じことをもっとロジカルに説明できるようになったので、それを説明しよう。
きっかけは、ぐっさんとのツイッター上でのやりとりで、彼が失着率という言葉を使ったこと。失着率――。この概念によって、俺の考えが一気に整理されたんですな。
麻雀の成績を決めるのは、その人が持ってる雀力のベースも大事なんだが、失着率、つまりどれくらいミスをするかが大きいと思うんですよ。
いくら上手くても、ミスしちゃう人は勝てない。そういう減点式の試験みたいなゲームじゃないかと思うんですな。
そのミスの中にもいろいろあって、仮に、A級ミス、B級ミス、C級ミスがあるとしよう。A級が痛烈なミスで、B級が中くらいのミス、C級が小さなミス。
このA級ミスをどれだけするか。つまりA級失着率によって、成績のかなりの部分が決まってるんじゃないか。B級ミス10個でようやくA級ミス1個に相当するくらい、A級ミスは重い。
じゃあ、A級ミスとはどんなミスか。振り込みに直接つながるミスですよ。これはアガリ逃し系のミスよりも重いんじゃないか。というのは、アガリ逃し系のミスは、アガリ逃しという結果が出たときは大きいように感じちゃうけど、アガリって4人に1人しかできないもので、すなわち顕在化しにくい。ミスしなくても、どうせアガれてなかったってことが多いんですよ。それに対して、振り込み系のミスは点数を失うことに直結しやすい。だから、振り込み系のミスのほうが重いんじゃないかと。
俺は自分って、いくら痛い目を見てもこりずに痛烈なミスをしてしまう体質だと思ってて、しゃーねーから安全運転だけ意識しようと、しばらく前から思ってきた。とくに意識したのは、5ピンの麻雀。あれは長いんですよ。半荘15回はぶっ通しで打つ。相手は年上の人たちだし、自分の都合ではやめにくい。もうね、集中力が続くかどうかがすべてみたいな感じ。
B級やC級のミスまで気にしてると、神経がもたなくて、結果としてA級のミスにつながりやすい。もうね、そのレベルのことなんて無理なんだよ。俺はA級のミスさえしなかったら満足。それだけで自分をほめてやる。
大事な対局とか長い対局ほど、そんな心構えでのぞんでいる。最高の技を魅せよう!なんて意識とは間逆で、最低のミスだけはしないように!という姿勢。天鳳名人戦もそんな意識で打ってるわけで、なんつースター性の無さや!って話はいいとして、その姿勢が、牌譜を見て、たらこちゃんに感じられたらしい。
以前、「ネト麻とリア麻の違い」というエントリで、リアル麻雀は、肉体にも精神にも負荷が大きいから、ミスが出やすいと書いた。
それはそうなんだけど、それ以上に、連続して打つかどうかが大きい気がする。というのは、この前の天鳳名人戦ですよ。俺は2戦目の途中から脳みそがヘロヘロだった。2回戦でコバゴーに東で1500点を打ち込んだ局があるんだが、あれなんか完全にミス。みっつぃ~に、この巡目での東での放銃は少々ヌルいのではと書かれた通りで、安かったから良かったけど、A級のミスかもしれない。また3戦目に、マークツーと俺の守備力の差がはっきり出たとたらこちゃんに書かれたやつがあるんだが、これなんかも完全に無理。もう頭がクラクラしてて、オタ風の安全度なんて見られなかった。
当日は、ただ疲れたー!!!とだけ思ってたんだけど、あとから見てみると、他の人たちにもミスが多発してる。それも後半のほうに多い印象。1節の6月26日よりも2節の8月7日のほうがはるかに疲れた。この日は日曜日で、日中にみんな疲れる用事があったのか、当日の天候も関係あるのか、理由はよくわからんけど、みんなヘロヘロになってしまい、ミス合戦となった。その中で、俺は日ごろから安全運転主義の自分を意識して作ってるから、A級ミスが少なかった。でも、そういう考え方をしてないたろうなんかは、ガタガタに崩れた。そんな感じじゃないかね。選ばれて出てるプレイヤーが自分の体調等を言い訳の理由にするな!というお叱りはもっともだとは思うけど、現象としてはこんな感じじゃなかったのかなーと。
1回ごとに予約して打てる天鳳の段位戦などは、キレ打ちしないように自分を制御できるから、B級やC級のミスしか出ない勝負も可能。たぶん、これはかなり特殊な麻雀環境なんじゃないか。ネットでも、連続して打つと、あっという間にヘロヘロになるし、リアル麻雀もすぐ疲れる。そうなるとA級失着率の勝負。その中で、特A級みたいなミスをした人が負ける。そんな構造じゃないかって思ってるわけですな。
さらに、こういう考え方をするようになってから、メンタルが強くなった気がする。小さなミスは気にしないことで、心が揺れなくなった。
以前のコメ欄で、麻雀の押し引きを野球のバッティングフォームになぞらえてた人がいたけど、ほんとそれくらいデリケートなものだと思う。この人は強いだろって人が、俺から見るとミスとしか思えない打ち方を、「いつもこう打ちますよ」と主張してたりする。こーゆーのは、打ってる最中にバランスが崩れてしまったけど、本人にその自覚はなくて、そのとき出した答えが自分の中に焼き付いちゃってるんじゃないかと思う。それくらい麻雀のフォームは崩れやすい。
俺はこの半年くらいで見ても、この2年くらいで見ても、成績が前より良くなってきてる。つまり、どんどん強くなっていて、その理由が自分ではさっぱりわからなかったんだけど、メンタル力で勝ってるとするなら納得がいく。小さなミスは気にしないし、大きなミスをしても瞬間忘却術で忘れちゃうことによって、強い精神力を身につけた。その結果、他の人よりもA級ミスをしなくなってると。
当たり前のことを当たり前にやって、大きなミスをしないだけで、そんなに勝てるのって疑問もあるだろう。それに関しては、ちょっと前に、知り合いから聞いたブラウザ三国志の話が面白かった。その人は今4期をやってて、俺の疑問、「4期にもなったら、みんなベテランばっかで、技術やカードの差が小さくなっちゃうんじゃないの?」という質問に、こう答えてくれた。
「資源効率とかカード合成とか、一個一個は当たり前のことでも、それを全部ちゃんとやってるプレイヤーって、すごく少ないですよ。2割もいないんじゃないですかね。飛将ってスキルにしても、持ってるのは10人に1人もいないくらいですし」と。
当たり前のことを当たり前にやるだけで強豪だし、さらにA級のミスをしないように意識するだけで、もう鉄強なんだよ。だって、天鳳名人戦に出てるプロたちって20~30代のトップクラスですよ。それでもこれだけミスが目につくわけで、他の人たちはどうなのかという。
じゃあ、普通ってなんだよ? 普通の水準は人によって違ってくるんじゃないのって疑問が出ると思うけど、そーゆーでかい話は別の機会に。
なお、この失着率ってのは、定義があいまいすぎて数値化することはできない。人によって、どーゆーのがミスかって違ってくるしね。また、A級B級C級という区分も概念的なもの。線引きすることはできない。人によって、たとえば天鳳位様のASAPIN先生などは、アガリ逃し系のミスのほうを重く見ているみたいで、俺の考え方が一般的なわけじゃない。
世間の多くの麻雀プレイヤーの人たちは、基本スペックの向上などを意識してると思うのだが、俺は完全に数値とだけ戦ってる。勝ち金の額と平均順位だ。そういう意味で俺は完全にプロ化してて、だからこういう発想になるんかなーとは思う。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
たとえミスを分類してA級ミスの少なさとか失着率で競うとしても
短期の成績にその差が如実に出ますかね?
短期の成績ならそれくらい大きなミスを犯さないと差は付きにくいともいえるけど運の要素とのバランスが分からないな。個人的には名人戦で先生はうまい麻雀を結構打ててたと思うよ。
投稿: | 2011年8月30日 (火) 08時28分
ああ、ちょっと付け加えると、短期戦だとひたすら放銃しないようにビビって打ってるとジリ貧で終わるパターンが多すぎるって最近の2ちゃんの板対抗戦とか見てても思ったから。
短期戦ならあくまで攻撃的に行くことが大事な気がするんですよね。名人戦のスパンが短期なのかは知らないけど。
投稿: | 2011年8月30日 (火) 09時29分
僕天鳳の速卓を好んでいる事もあって、同じように大きいミスを避ける事を第一にしてます。
何切るとかで人の回答見ても、その通りだけど実際打ってる時にこんな事考えてる時間あるのかなと良く思いますし、集中力も持たない気がしますねw
僕は100点の回答を導き出すより、80~90点の回答をいかに速く導き出せるかというイメージで打ってます。
投稿: 合体 | 2011年8月30日 (火) 09時34分
非常に興味深い内容ですね。
ミスを減らすというのは私のテーマなのでとても参考になります。
投稿: かずっち | 2011年8月30日 (火) 11時13分
>ななしさん
短期戦なら、どっちにしろ運ゲーでしょうw
俺が上手いのは、まあ自然に出ちゃうてむねw
短期戦でびびってるとジリ貧になるってのは同意てむ。俺はある程度は積極的にいこうと思ってて、それがくそ鳴きに表れているてむ。絶対にくそ鳴きと言われるよーなやつでも、気にせず自由にやってこうと。
>ななしさん
ああ、東速だと、100点を狙うより、確実に80点をってのはよくわかるてむ。時間切れになっちゃうのが最悪だしねw
すごく実戦的。
似たよーな話てむ。
>かずっちさん
強者ぶることを目標にするんじゃなく、ミスを減らして結果の数字を出すことが、真の強者の道てむw
投稿: 福地 | 2011年8月30日 (火) 14時32分
結局、何が正着なのか?は突き詰めていけば皆同じような打牌になっていく筈で、(稀に土田浩翔みたいなさっぱり訳わかんない打牌する人もいるけど)それでも麻雀の強い弱いが明確になってるのは、やっぱりミス率の違いなんでしょーな。
ちんこ先生頑張ってくれぃ
投稿: | 2011年8月30日 (火) 20時44分
あがり逃しをするとトップになれず,打ち込みはラスに関わる気がします.
天鳳ではともかく,リア麻ではあがり逃しもかなり手痛いのではないでしょうか
福地さんは強いから手順ミスであがれないよーなケースが少ないんですかね.
投稿: 点5店員 | 2011年8月31日 (水) 00時46分
面白い記事でした。
やっぱ失着手を減らすのは大事だよなぁ。
投稿: | 2011年8月31日 (水) 14時21分
1500点の振り込みがA級のミスなら、1000点のリー棒、無駄にするのは何級ミス?
当然、ノーテン罰符取り損ないはA級ですか(笑)
投稿: | 2011年9月 1日 (木) 10時44分
結果的に1500点だから助かっただけでこの牌を突っ張ったことがミスってことだろ
12000だから反省する、1500だから反省しないって考えだと上手くならないよ
投稿: | 2011年10月19日 (水) 16時52分
言われてみれば今のラスも
ここ最近の特東のカス雑魚ゴミムシ共相手への連ラスはA級ミスばかりだわ
トータルでは絶対に俺の方が上手い
少なくとも俺は見え見えの2副露染め手(それでもギリギリまで色を絞られないよう努力した)に、リャンシャンテンから発切ったりしない
発なんて出るとは思いもしなかったから、発と1s一枚のシャボより四枚のペン3s優先したのに
そしてそんな発切ってるゴミは、クソ無理染めのチンイツを他家からアガってラス目脱出。振った馬鹿は親ッパネツモってたんで俺だけラス目
ふざけんなよってキレたせいで、親リー相手に貴重な現物2枚をポン(てか現物になった、切ってるゴミも許されないはずなのに)して安牌尽きて11600振るというA級、いやS級のクソミスしてラスった
それが無ければ巻き返せてたのに……
鳴いた瞬間「は?」ってなったけど
俺の右手は高速でポンを押してた
頭がおかしくなってる、やってすぐ「はあ??」って気づくのに
どうせミスとも自覚してないだろう知恵遅れどもとは違うのに
何故かA級ミスが止まらない
俺は東南戦でしか、まともな制限時間がある麻雀でしか打てないのだろうか
それとも速卓だと思って焦るからいけないのかなぁ
つらい
投稿: | 2023年5月 8日 (月) 17時08分
昔はこういう意見が1ミリも理解できなかったし受け入れる気もなかった
パーフェクトな1000打を打つべきと思ってたし、いや本当は今でも思いたい
でも打てねえんだ;0;
今の俺でも打てねえのに、もっとオッサンだった福地先生にそれを求めて偉そうにしてたのは本当に愚かだった
できねえもんはできねえよ
天鳳はカチカチ鳴るし
リア麻だって制限時間は無いとはいえ、実質的には時間制限あるようなもんだし、鳴く牌じゃ止まってくれねえし
静画で麻雀クイズとして出されたら全問正解できる自信あるけど
麻雀はクイズじゃねえんだ、斬り合いなんだ
相手のミスを見下して「何でこんな雑魚相手にラスる??」って思ってたけど
ひょっとしたら相手も相手で、「何でこんなクソミスしてんだこいつ?」と思っているのかもしれない
みんな自分のミスは、時間のせいであって実力では無いと
悲しいな、それが実力なのに
投稿: | 2023年5月 8日 (月) 17時42分