【つぶ】マーケティング
マーケティングというビジネス的な手法・学問がある。単純にいってしまうなら、何かを売るときに、相手を層に分けて考えましょうってこと。性別、世代、年収などは基本で、場合によってはそれ以上の属性まで考える。
たとえば、ラーメン屋を出店するときは、若い男性の通行量が大事。単純にそれだけじゃなくて、他の世代や性別のいる度合いに応じて、ラーメンの盛りの量、味付けなどを考える。単純においしいもんを出せばいいって考えだと、ビジネスマンが多い地域で二郎みたいなラーメンを出してしまい、ニーズとずれたりしてしまう。
当たり前すぎるくらい当たり前のことなんだけど、これが当たり前だと思えるのって、じつはかなり適性みたいなもんが必要じゃないかと思ってる。自己客観視できる人ってそう多くない印象。つーのは、他人は自分とは違うってわからない人がむちゃくちゃ多いと思ってるので。
ここで話は変わるんだが、最高位戦クラシックという麻雀のタイトル戦の観戦記がすばらしいという噂を聞いて、読んでみた。たしかに面白い。
んで、それを書いた鈴木聡一郎さんという人が、観戦記の書き方を「はこぱら」(麻雀版ミクシィ)に書いてると聞き、それも読んでみた。これまたすばらしい。
その人の昨日の日記が「観戦記マーケティング論」ってやつで、それをコメも含めて一部をコピペ↓
* * *
聡一郎(つくねん@天鳳)さんの日記(全員に公開)
2011年06月21日00:53
観戦記マーケティング論
今思い返せば、今までは読者を想定せずに書きたいことを書いてたんだと思います。(中略)
なんとなくふんわりと適当に読者をイメージして、書きたいことを書きたいだけ書きたいように書いてた。
そんなとき、2年間の活動休止期間中に、会計士試験で「マーケティング」ってのを勉強しまして。
(中略)
で、今回のクラシックレポートね。
ぶっちゃけ、今までにないぐらいかなり手を抜いて書きました。
注力度は2~3割ぐらい。
で、できた物を読んでも、良い物ができた感覚が全くない。(中略)
そしたら、色んな方々から予想外の好評をいただきまして、正直ビックリしました。(中略)
今回、何が良かったのかといえば、やっぱり「しっかりターゲットを絞れた」ことだろうなと思ってます。(後略)
2011年06月21日02:574:
大浜ガク
観戦記の感想をくれる人ってのが基本的に「麻雀オタク」だからその人達が満足するもの=ライトユーザー向けでは無いものになってしまうんですよね。
そういう人達向けのは実は発展のためにはあんまり必要ではないのかなぁ、とか思ったりしています。
僕の今回の日本オープンの観戦記はマニアックな方達から「表面しか触れてないからもっと掘り下げて書かないと麻雀が伝わってこない。」と言われました。
ただ、表面だけでもサラッと読めるものを書くことこそが発信する側の役目なのかな、と最近思っています。
2011年06月21日07:325:
バカセ
面白いものが世の中にあふれてて、みな何らかの方向にオタク化してる現代に、ライトユーザっていないと思うてむ。
麻雀のマニアがみんな同じかといったら、競技麻雀のヘビーユーザとフリー雀荘のヘビーユーザみたいな方向性はいろいろあると思うけど、なんにせよマニア化してる。またマニア化してないような人は、わざわざ麻雀の文章をネットで読んだりしないてむ。
そんなこといってたらライトユーザがいなくなって、業界は閉じてくだけでは?という疑問が出そうだけど、そーゆーのは「咲」とかの仕事。
そもそも、プロ団体のHPという場が、ライト層向けのチャネルじゃないから、文章をライトに書いたって、ライトな層には届かないてむ。
マニアックな輝きをめざすしかないてむ。
2011年06月21日11:568:
聡一郎(つくねん@天鳳)
>大浜さん
確かにぼくも前はそう思ってたんですが、大学院行ったり、最近だと「ホンマでっかTV」見たりして少し考え変わりました。
めちゃめちゃ難しい論文書いてる先生が、「簿記2級」の本書いてたり、TVで簡単に解説してたりするんですよね。
要は、メディアによってターゲットを変えてる。
現在、対局を伝える有効な手段として観戦記ぐらいしかないから「できるだけ広い範囲をカバーしよう」と思いがちなんですが(この考えが間違っているとは思いません)
実は、入門や中級の戦術書でカバーすればいい層、バカセさんがおっしゃるように大衆誌や漫画がカバーすればいい層っていうのがある気がするんですよね。
だから、ぼくは今のところ難しめの論文を書いといて、もし入門書とかの話をいただけたらそのときにそっちの層をカバーしようと思います。
で、「この本の人が書いてる記事なら読んでみたいな」と思ってもらえればいいなと。
ただ、大浜さんのように協会員という立場なら、「広い範囲をカバーする」って姿勢の方がいい気がします。
MJ効果で、広い範囲の人が見にくることを想定しといたほうがいい気がするので。
長くなりましたが、要はなんかしらのターゲットを想定してりゃいいのかなと。結局ww
2011年06月21日12:299:
聡一郎(つくねん@天鳳)
>バカセさん
この数年間で思ったことは、正にバカセさんがおっしゃったようなことです。
ぼくも以前はライトユーザーも意識して書いてたんですが、大学院とか会計士試験とかを経験して、観戦記に関する意識が変わりました。
メディアにはそれぞれ役割があって、観戦記の役割って何かっていったら、ぼくはライトマニア~ヘビーマニア層に対する主張かなと思うんですよね。やっぱり。
要は、観戦記はマニアックな「企業会計」という雑誌に投稿する論文、入門書や漫画は「1時間でわかる簿記入門」ってイメージです。
がんばれ、咲ww
* * *
このやりとりの結果、大浜ガクさんはころっと考え方が変わってしまったようで、こーゆーのは俺の経験的にはすごくまれな例。普通は、こーゆーのって一般論としては賛同されるけど、自分がすごく頑張ってる分野(普通なら仕事、この人の場合は麻雀)に関しては、自分の感覚が普通で絶対だみたいな意識が分厚い岩盤のようにあって、揺らがない。人間って変わらんよ。
世の中の人は自分のことが好きすぎる。他人は自分とは違うってことがわからない。いや、わかりたくないんだろう。
じつは、これから、麻雀の本をぜひとも出したいって大学生と会う約束をする予定で、まだメールを1回かわしただけの段階なんだが、こういった話をどう説明すればいいのか、100万光年の距離に恐れおののくわ。
・1500円とかの身銭を切ってまでほしいと思う人数に応じてしか本は売れないという需要と供給の関係。
・麻雀が好きな人はいっぱいいるけど、麻雀の本を買おうという人はそんなに多くないというマーケットの特性(将棋ファンは戦術本は買い漫画は買わない。逆に麻雀ファンは戦術本は買わず漫画は買う)。
・その小さなマーケットでは、どんなもんが求められてるのかっていう過去のデータ。
まあ言ってしまうなら、ライト層に言葉なんて届かない。ライト層を動かすのは「やばすぐるwww」とか「かっけええええええ!!!」とか「ネ申キター」とか、そういうやつ。どう魅力あるかなんて説明は意味なくて、魅力そのものに触れないと。普及を目的とした本なんて、ほとんど無駄。
こういうことを理性的に処理するのって、自分の好きっていう感情をクールダウンする必要があると思うんだよな。5年くらいかけて冷静にならないと。俺だって20代のころを思い返すと、なぜ多くの麻雀好きな人がイチマルイチを面白いと思わないのか理解できなかった。
好きという感情の強さって、資源みたいなもんで重要なんだが、制御するのが難しい。
なんてど-でもいいこと書いてる場合じゃなくて、労働厨に変身することが今の俺のすべてなのに変身できん。゚(゚´ω`゚)゚。ピー
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コメント
鈴木総一郎Pの観戦記も、それを取り上げた福地さんの記事もすばらしい内容でした。
このような方たちが増えれば業界はきっと発展していくと思います。
私も自覚症状はなかったですが、きっと頭の固いタイプの人種なのでしょう。
投稿: うーりー | 2011年6月22日 (水) 08時05分
> うーりーさん
いや、発展しないすw
鈴木さんは会計士になっちまったし、ぼくはこんな片隅でブツブツ書いてるだけですからw
投稿: | 2011年6月22日 (水) 08時34分
先生、まずはライトな労働厨から始めてみてはw
投稿: | 2011年6月22日 (水) 15時06分
長文乙
もしかして本を出したい大学生ってニコニコの某配信者なんじゃ・・・
投稿: coffee | 2011年6月22日 (水) 19時59分
業界が発展してレベルが上がったら、
食ってけなくなる、メンバーやプロが急増すると思う・・・
自分で自分の足を食べるような愚かな行為だ。
これ以上、レベルの底上げするような行動は謹んでくれw
投稿: | 2011年6月22日 (水) 20時25分
過去の配信動画って見れないんですか?????
投稿: | 2011年6月23日 (木) 04時01分
なるほど。
教育に関する物を書かなくなったのは
これが理由だったんですねw
投稿: | 2011年6月24日 (金) 19時45分