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2007年9月13日 (木)

【教育】私立中高の価値2

前回の続き。

同じランキング表から読み取れる傾向として、大学附属の凋落以外に、もうひとつポイントがある。

男子の上位2階層を見てみると、成蹊、成城、青山学院の没落以外は今とそれほど大きく変わらない。早慶附属はもとより、進学校系では、開成、武蔵、駒場東邦、桐朋、城北、海城と、今でも実力派の学校ばかりだ(高校募集を止めた学校も中学入試の難易度から判断している)。

また、難易度を大きく上昇させた学校もさほどない。あえて言うなら、巣鴨、攻玉社、本郷がそう。

しかし、女子では状況が大きく違う。

1965年当時、最難関だったのは慶應女子、青山学院、成蹊の3校で、第2ランクは成城学園、雙葉、桜蔭の3校だ。このうち、今でも地位を守っているのは、慶應女子、青山学院、雙葉、桜蔭の4校だ。男子校より数がグッと少ない。

逆に、難易度を上昇させた学校の数は多く、変化幅も大きくなっている。男子では全8階層のうち5番目から攻玉社、本郷が出ているが、それより下から成り上がった学校はない。それが女子になると、階層6番目から、頌栄、豊島岡、吉祥、晃華が上位まで上がっている。とくに豊島岡など、現在ではほぼ最難関クラスとなっているのだ。詳しくはトレースしないけれども、階層3番目、階層4番目から転落した学校もかなり多い。

その変化を一言でまとめるとどうなるか。女子校では、良妻賢母的な伝統校は難易度を落とし、進学校が難易度を上げたのだ。おそらく、この当時は桜蔭ですら東大に入るのは2~3人くらいだったのではないか。それが現在では50~60人。女子校の進学校化。それがこの40年間の大きな変化なのである。

この傾向は今後も変わらず、さらに進むだろう。いずれ最難関校が桜蔭で、次が豊島岡となり、雙葉や(この表にはないが)女子学院の難易度は下がっていくのではないか(慶應女子は判断できない)。

これからは、女子校も男子校とさほど変わらない価値基準で選ばれるようになってゆくだろう。女子校の独自性はその大半が薄れてゆく。グローバリズムの観点から見れば、そんな傾向が予測される。

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