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2007年5月26日 (土)

【本】『ニッケル・アンド・ダイムド』

また長らくサボってしまいました。読んだ本の感想など書きつつボチボチ再開していきましょう。

『ニッケル・アンド・ダイムド―アメリカ下流社会の現実』

★★★☆☆

アメリカ下流社会の現実がリアルに描かれ、明日の日本の姿を思わせるってことで、あらゆる新聞や雑誌の書評に載りまくった本。

読んでみたら正直期待はずれ。ダラダラ書かれていて、かなり手ぬるい。同じ出版社から出てるイギリス人が書いた『ハードワーク』とほぼ同じ印象。

内容は、低賃金労働はつらかった、家賃を払うのが大変だった、本当に単純な仕事などなかった……てな感じ。

その仕事につくまでにどんな手続きが必要で、その仕事ではどんな苦労をして……ということが、こちらがアメリカ社会に生きていないからかもしれないけれども、冒険譚としてちっとも面白くない。さらに、そういった時給7ドルばかりの仕事に従事している他の人たちの生活像もあまり見えてこない。

どうも英米ジャーナリストの世界では「実際にやってみた」「大量の文を書いた」(なぜか分厚い)ということが、やたら評価される気がする。体験するのってそこまで大事か? 面白いとか、よくわかるほうが大事なんじゃないか?

同テーマで日本人の書いた本に『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』があり、これとてさほどとは思わなかったけど、それでもまだ面白かった。

潜入ルポじゃないけど、この分野で最高のものといえば漫画の『闇金ウシジマくん』じゃないかね。

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