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2007年2月16日 (金)

【麻雀】2.賭博史における出自

昨年、同人誌『麻雀の未来』に書いた「麻雀は博打かゲームか」から。第2節です。


賭博史の本を読むと、ゲームは博打から発していることがわかる。ゲームの母は博打であり、博打の母は占いである。

余暇にゲームを楽しむ生活スタイルは、かなり豊かにならないと成り立たない。そんな生活が庶民でも可能になったのは、二〇世紀になり、工業の時代に入ってからだ。競技としてのゲームが広く普及したのは、日本では高度成長期以降と言っていいだろう。

古代に神事から博打が生まれた。中世には、凝った博打は貴族のものであり、さいころ博打などの単純な博打は庶民のものだった。それが近世になって、囲碁や将棋のような博打まで庶民に広がった。そして二〇世紀になり、金を賭けないゲームという概念が博打から派生したのである。そんな図式を描くことができよう。

麻雀がカードから牌になる形で誕生したのは十九世紀なかばのことであり、世界的なブームになったのは一九二〇年代のこと。それは人類が広く余暇を楽しむようになる時代の直前だった。世界ブームは貴族階級におけるものであり、第二次大戦後は余暇を持った中産階級が広く登場し、麻雀をプレイするようになった。こうして麻雀は大衆化し、しだいにゲームとしての顔も持ち始めたのだ。

すなわち、麻雀はゲームという概念が生まれる直前に成立した最後の伝統博打なのである。時代の変わり目に生まれたことが、麻雀の性格に大きな影響を及ぼしている。

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