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2006年11月27日 (月)

【教育】教育格差5

ますますしつこく「日刊ゲンダイ」の連載から。


1990年代の後半、日本の子供たちの学力が低下しているのではないかという論争があった。いくつかの調査でわかったのは、たしかにテスト学力は全体的に低下していたが、それ以上に学力格差が拡大していたことだった。勉強する子としない子の差が開いていたのだ。

また、親の学歴との相関性も高く、通塾・非通塾の差も大きかった。単純化してしまうなら、親が高学歴で塾に通っている子の学力はあまり低下していなかったが、親がで通塾していない子は学力が大幅に低下していたのだ。

学力の差というと、以前は勉強が難しくなり始める小学校高学年から開き始めると思われていた。だが、それ以上に幼児期からの生活習慣の差が大きいことがわかってきた。百ます計算で有名になった蔭山英男氏は、計算練習などは表面的なことにすぎず、早寝、早起き、朝食などの生活習慣が大事だと繰り返し述べている。この半年ほどで続々と創刊された子育て雑誌の『プレジデントファミリー』『アエラキッズ』『日経キッズプラス』などは、「頭のいい子の生活習慣術」といったテーマを繰り返し特集している。

しかし、こういった情報に接して子供の生活習慣に気を配るのは、そもそもそんな注意は必要ない家庭なのだ。本当に意識改革が必要な家庭に情報は届いていない。生活保護も自己破産も早期離婚も増えている現状では、子供のことを考える余裕のない親が増えている。借金取りに追われている親が、子供に早寝早起きしろと落ち着いて注意できるだろうか。コンビニ、スーパー、ファミレスなど24時間営業の店舗が増えているため、そこで働く親の生活時間も多様化しており、深夜に幼児を連れて居酒屋で食事するのが一家だんらんという家庭が増えている。子供に生活習慣を身に付けさせるどころか、幼児期から親が家にいないケースも多い。

つまるところ、子供に生活習慣を守らせ、そこそこまともな食事を食べさせられるのは、生活にゆとりのある家庭だけになっている。学力格差の底には生活格差があり、その根底には経済格差が横たわっているのだ。貧困家庭に育った者は、自身も非常に高い確率で貧困に陥る。そのメカニズムを明らかにしようと、アメリカでは社会学の1分野として貧困研究が盛んになっている。その結果わかったのは、もっとも影響が大きいのは幼児期ということだった。勉強に入るはるか前から、厳然とした生活格差が形成されているのである。(つづく)

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