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2006年11月21日 (火)

【教育】教育格差3

「日刊ゲンダイ」の連載から。


「えー、○○君って××大学なの? すごーい、頭いいんだねー」

こんな無邪気な発言を聞くと、○○君は頑張って激しい偏差値レースを勝ち抜いたことを連想させる。そのとき、レースに参加できなかった者が多数いることは、視野に入っていない。

多くのスポーツや芸術の世界では幼児期からの英才教育が不可欠なように、勉強もまた家庭が偏差値レースへの参加費を払ってくれた場合のみ、有名大学への挑戦が可能になる。

偏差値レースへの参加費は1000万円。「文部科学白書」によると、高校から大学の7年間に、子供1人にかかる学費は平均1000万円である。しかし、これには「予選の参加費」は含まれていない。有名大学に行くような子供は、高校に入る前から塾に通い、場合によっては中学受験までして、さらに多額の教育投資を受けている。そのため、1000万円を払う前の段階で決着はついてしまう。以前は高校受験まで通塾しない子にも優秀な生徒はいたが、最近では公教育の地盤沈下により、めっきり減ってしまった。

なぜ1000万円もの教育費が必要になってしまうのか。大学の学費が途方もなく上がり続けてきたからだ。過去10数年間の学費の推移を見てみると、それは一目瞭然である。1973年の石油ショックの年まではインフレ率も高く、親の所得も上がり続けていたから、学費値上げに追いつくこともできた。その年を境に日本は低成長時代に入ったが、学費は高度成長が終わっていないかのごとく、いやそれ以上の勢いで上がり続けた。

国立大学の授業料で見てみよう。73年には年間3万6000円。それが83年には21万6000円となり、93年には41万2000円、そして03年には52万1000円となった。実に14・5倍である。私立大学も同様の勢いで上がり続け、さらに高い。もちろん入学金も上がり続けている。国立大学ですら初年度納入金が80万円を超えてしまった。

昔は自活しながら学費を稼いでいる苦学生もいたが、今では聞かなくなってしまった。働いていても最低限の生活さえできないワーキングプアが話題になる昨今、学費まで稼ぎ出すことはまったく不可能になってしまったのだ。

自分の親が将来1000万円の参加費を出してくれるかどうか。子供はそれを敏感に感じ取るから、期待が持てない家庭の子は早い段階から勉強の道をあきらめてしまう。こうしてセックス三昧の中学生が巷に吐き出されていくのだ。(つづく)

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