« 【教育】教育格差5 | トップページ | 【教育】教育格差6 »

2006年11月28日 (火)

【教育】教育の目的は?

財政破綻した北海道夕張市のことが、このブログに書かれている。
http://blog.goo.ne.jp/mikogamitenzen/e/199a4b79ab100e4c2c1b4c3b8ea549b1
著者はそこに日本の明日を見る。財政破綻し公共サービスを切り下げる自治体を、余裕のある者は出て行く。納税能力のある者ほど出て行ってしまうのだ。まさに少子化の進む日本の明日だろう。まったく同感する。

国家にとって教育の目的とは、次世代の納税者を育てることだ。納税者が出て行く国は干上がってしまう。それには納税者を大事にすることだ。

今の日本は次世代の納税者を大事にしているだろうか?

どの年代も、少し上を見て生きている。10代の者は20代を、20代の者は30代を、30代の者は40代を、40代の者は50代を…(そこから先は経験ないからわからない。60代以上は“今”しか見てない気がする)。

少し上の世代が幸せそうか。あるいは30歳上(親世代)が幸せそうか。みな、それを見て自分の人生について考える。

今の日本は、納税者の中核と将来の納税者である10代、20代、30代、40代、50代を大事にしているだろうか?

日本の教育は私費負担が莫大だから、親が金を出してくれないと10代は明日が開けない。金を出すと発言権が増大するわけで、親から「美大なんか行っても食えないから、そんなことに出す金はない!」と言われたら、好きなこともできないのだ。国が金を出してくれないからそうなる。

20代、30代は雇用を切り崩されている。20代のワーキングプア率は劇的に高く、20代後半でも4人に1人。国民全体の雇用が切り崩されたというよりも、若者が狙い打ちされた。

40代、50代の子育て世代は余裕があるだろうか。住宅費と教育費の負担を抱え、沈む寸前という人も多いだろう。もっとも自殺者が多いのは50代の男性だ。その一方で、シングルの人たちは余裕を持っていても満足している気配はない。

会社等の組織の権限は50~60代が握り、資産の大半は60~80代が保有している。個人金融資産1400兆円のうち、74%を60歳以上が持ち、なんと95%を50歳以上が持っている。この傾向は土地も含めるとさらに広がる。

そのため政治は50代以上の方向を向いている。今のシステムでは駄目だと誰もがわかっていながら、再設計は着手されない。

教育の目的は次世代の納税者を育てることだ。それでは今の日本は、将来いっぱい税金を納めてくれそうな若者を育てているだろうか?

今の愛国心教育は“元気のよいバカ”を対象に考えられている。どの国でも貧しい若者は民族主義的になる。だが、真に愛国心が必要なのは、多額の納税をする優秀な若者なのである。

スポーツでいうなら野球の松坂だ。彼の契約金60億円は日本に来る金だが、この先の個人年棒は日本で納税されるだろうか。

マーケットが国際化しているスポーツはいい。科学技術人材はどうなのか? 明日の日本を支える人材をキープしようというビジョンが圧倒的に不足しているのではないか。

富裕層の目は海外に向かっており、アメリカやスイスのボーディングスクールが注目される。その内容はというと、国内の学校ではまるで太刀打ちできないのだ。

『レイコ@チョート校―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳』(集英社新書)を読んでみると、灘や開成など国内名門校とは比較にならない教育内容がよくわかる。しょせん日本の学校は受験マシーンを育てているだけ。“真の教育を追求する”という理念すらない。

すでに高額納税者予備軍は、子どものうちから海外に流出している。富裕層は以前より東大を重視せず、海外を見ている。そこに愛国心はない。

過疎に悩む地方には、子どもにその地方を好きになってもらうため、一丸となって努力している所もある。以前、小学生の作文コンクールの入選作を読んでいたら、伊勢えびづくしの給食について書かれていた。そうやって全力を傾け、子どもたちに地域を好きになってもらおうとしているのだ。これこそ明日の日本の姿ではないか。

今の教育で必要なことは、10代や20代に金とサービスを回すことだ。しかも彼らが真に望むようなやり方で。目先のことではなく、彼らが将来に希望を持てるようなやり方で。それが根本ではないか。金を回そうとしない教育改革に、抜本的なものなどあるのだろうか?

|
|

« 【教育】教育格差5 | トップページ | 【教育】教育格差6 »

コメント

中くらいのしがなさ の記事を 参考にしていただいて

よかったです、、、

探してみると、真っ当に考えていて、それを発表している

優れた方というのは、いるところには いるものです、、、

(ただ、探すのが面倒だ、というのもありますね、、、)

こちらも何とか、優れた方々に学びたいところですが、、、

全くもって、自分の能力の低さと読書量の少なさに たびたび

凹まされます、、、

名前に貼り付けた記事を読んでいただけると、
ありがたいです、、

投稿: N氏 | 2006年11月30日 (木) 18時23分

>N氏さん

書き込みありがとうございます。読みました。
ぼくも勉強不足をいつも痛感してます。丸っきり追いつかないものがあります。今まで勉強しないで来ちゃったなーと、よく思います。

投稿: 福地 | 2006年12月 1日 (金) 08時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/118327/4340809

この記事へのトラックバック一覧です: 【教育】教育の目的は?:

» なぜ?誰もが本当の事を言わないのか [失敗を最小限にして成功へと向かう方法とは・・・]
~成功者が失敗を繰り返し学んだ絶対的な成功法則~誰もが本当の事を言わない。「誰でも成功できます!」「失敗しようがない!」「誰でも簡単に・・・」この様な宣伝文句のものが多く存在しています。確かに優れたマニュアルです。では、なぜ、優れたマニュアルを読んで成功する人間がごくわずかなのか。その事を誰も言わない・・・・なぜ言わないのか→→→→→→→→売れなくなるからです。だから、私は言います。マニュアルは素晴らしい、実行すれば確かに稼げる。では、あなたが実行できますか?実現する喜びをイ...... [続きを読む]

受信: 2007年1月 3日 (水) 00時27分

« 【教育】教育格差5 | トップページ | 【教育】教育格差6 »