【教育】規範はゆるんでいるか?
最近、客観情報を装った感情的な報道が多い。子どもの自殺報道などその典型だろう。
誰だって、子どもが自殺したと聞けばショックを受けるし、これから自殺すると予告されたら説得しようという気になる。そして、子どもの自殺に関する報道が多くなると、世も末だという気分になる。
多くの人は感傷に流され、本当に子どもの自殺は増えているのか? 本当に世も末なのか? といった検証はなされないまま、世も末だという感情が蓄積されてゆく。これは漠然とした気分だから、数字で検証するようなものではないのだ。
そんな大衆的気分に、規範・倫理・愛国心などを主張する連中は付け込んでくる。
安倍内閣の設置した教育再生会議の「規範意識・家族・地域教育再生」部会など、そのひとつだ。本当に規範はゆるんでいるのか? そんな疑問はすっ飛ばしてしまい、規範の再構築が語られるのだ。
たしかに、10代の性経験率などは高まっているだろう。(統計的根拠はないけれども)このデータ↓は正しくないと思う。中学生など、もっと高かろう。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200611110263.html
だが、それ以外の規範については、さほど悪化してないんじゃないか。単純に考えて、相対的に豊かな時代に育った子どものほうが、ゆとりがあるぶん品性は上がる。衣食足りて礼節を知る、なのだ。
国家の品格とか、教育の品格とか、「家庭の教育力が低下している」などと主張する輩は、この本↓くらいは読んだ上で言っているのか?
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061494481/
ろくに現実を調べもせず、自分の言いたいことだけたれ流す連中の品格こそ問いたい。
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