【教育】家庭教師を使う富裕層
家庭教師派遣センターみたいなところの話を何軒か聞いてみたら、今の首都圏における受験の主戦場は、高校受験ではなく中学受験なのだとあらためて思わされた。
小学生から社会人まで幅広く対象としているある派遣センターでは、派遣対象は、中学受験7割、高校受験1割、大学受験1割、社会人1割(資格試験や医療英語)だという。これがそのまま全体の割合だということもなかろうが、市場の動向を反映していることも確かだろう(ただし、全国的な学習塾の状況を見るなら、今でも高校受験対象が最大ボリュームではある)。
中学受験専門のとある派遣センターでは、コースが5つに分かれている。
1)家庭教師だけで勉強するコース
2)大手塾(日能研、SAPIX、四谷大塚、栄光ゼミナール、早稲田アカデミー、市進学院、ENA、進学舎)と併用するコース
3)その他の塾と併用するコース
4)有名進学塾に入塾するためのコース
5)国私立小学校在籍者が中学に内部進学するためのコース
という5つだ。
これには、なんとシステマティックなのかと驚かされた。子供を大手塾に行かせて、そのフォローに家庭教師を使うことまでシステム化されているのだ。大手塾に3年間行かせるだけで200~250万円かかるのだが、さらに100万円規模の金を投資するのである。家庭教師を使い始める時期は、小5の秋から小6の夏までが多いというから、100~300万円くらいの金を使うのだろう。
父兄はやはり富裕層が圧倒的に多く、医者、歯医者、外資系勤務者、自営業などとなる。仕事内容を聞くわけではないが、家に通い父兄と話をするうちにわかってしまう。
対象となる子どもの学力は、最終的に中堅上位校に進むレベルが多い。というのも、御三家などを狙う子はかなり飲み込みがよく、家庭教師を必要としないのだ。また、そういった子たちは塾で手厚いフォローを受けていることも大きい。どの塾でも、実績を叩き出してくれる優秀な子は大事にされる。
なので、進学先となる中学は、男子校なら、本郷、芝、攻玉社、海城などであり、女子校なら共立、大妻、光塩、晃華、吉祥女子、豊島岡などだという(海城と豊島岡は中堅上位というには難しすぎるが)。
豊かな階層は多額の教育投資のもとにハイレベルな教育を受ける。その先端的な現象は、中学受験そのものよりも、そのフォロー態勢に表れる。家庭教師の使用こそ、その典型なのだ。
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コメント
す、すごい。。。
その波がこちらに押し寄せてくるのは
学区が取り払われてから。。。でしょうか。
こちらは物価が安いので、家計の中で教育にかける金額の割合は既におっきんじゃないかと思います。
「繁華街に空き地が出来ると塾が立つ」ってのは、その表れかと。
投稿: じゅぴたぁ(._・)ノ | 2006年10月 6日 (金) 11時56分
>じゅぴたぁ(._・)ノさん
すみません、今頃になって!
この動きが全国に波及するのかどうか。教育に関してはしない気がします。首都圏は特別な地域になるんじゃないかと。それでは、どっちが子どもにとって幸せな環境かと言ったら、地方だと思います。
愛知、岐阜、石川、富山、福井あたりは、いま一番具合よさそうですよね。
投稿: バカセ | 2006年10月23日 (月) 21時51分