【教育】階層化した公園デビュー
面白い話を聞いた。
とある市では、ヤンキー系の住民とリーマン系の住人に激しく分かれているらしい。同じような現象は各地にあるけど、それがとくに激しいという。
「公園デビュー」という言葉があって、幼児のいる母親は子どもを公園に連れてゆき、母親どうし、子どもどうしで交流するもんだ。それは猫の集会に似ている。子どもは他の子と一緒に遊び、お母さんは他のお母さんと情報交換とか世間話をする。
その市では、公園の縄張りが完全に階層化しており、ヤンキー系とリーマン系に分かれているとか。まったく交流することはないのだという。こうして幼児のうちから、ヤンキーの子はヤンキー予備軍とだけ遊び、リーマンの子はリーマン予備軍とだけ遊ぶのだ。もうちょっと大きくなり、幼稚園や保育園に入っても、そういった場もおそらく棲み分けされているのだろう。
「公立の学校に行くといろんな子と触れ合えるからいい」とよく言うけど、それはほとんど建前だということがわかる。みんな本心では、いろんな人と触れあいたいなんて思っていない。子どものときくらいその方がいいと思っても、自分はそうしたいなんて思っていないのだ。みな似たもの同士でしか交流したくない。
もう10年ほど前のことになるが、うちの子が小さい頃の近所の公園は、それほど階層化していなかった。子どもの年齢で分かれていて、2歳児の集う公園、3歳児の集う公園という分かれ方をしていた。だが、これは階層の分離度が低い地域だったからで、地元族とマンション族の価値観の分離が大きくなると、すなわちヤンキー系とリーマン系にはっきり分かれると、もう交流しなくなるのだろう。そうして自分たちの文化を守るのだ。
この話を聞かせてくれた人は、兄夫婦がその市に住んでいるけれども、教育環境としては絶望的だから中学受験を考えざるを得ないと言っていた。そう、中学受験の大きな要因として、勉強や学力よりも、地元の中学にはどんな子が来るかというのは大きい。
この市では、二つの階層が足立区以上に分離しているというから、調べてみようかって気になるなあ。
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コメント
私の住む街では校区が戸建やマンション販売の際に表示されています。
人気校区は必ずと言っていいほど書かれており、その校区は1学年の人数も多く、教室も足らないほど。
一方で2クラスもやっとの学校もあります。
小学校入学前に不人気校区(荒れている公立中の校区になっているなど)に住む人は引越しを考えたり、それが叶わなければ中学入試も考えます。
投稿: とまと | 2006年9月 8日 (金) 20時56分
>とまとさん
うちの近所でも、不動産情報に小学校の学区は書かれています。あ、自由選択性になって、あまり書かれなくなったかもしれません。
学年1クラスの小学校の隣は、学年5クラスだったりして、それはまさに学校の評判によるものです。
そういうのってありますよねえ。
投稿: 福地 | 2006年9月 9日 (土) 14時15分
足立区のマンションに住む者ですが
足立区では学校間格差が広がり、今後様々な社会問題
へと発展するのではと懸念しています。
駅周辺や進学塾の近くの小学校は比較的成績がよいなど
義務教育のあり方が問われているような気がします。
公園デビューでも格差があるんですね。
投稿: PCU広報 | 2006年9月14日 (木) 13時00分
>PCU広報さん
最近では、どの区でもどの小中学校を選ぶかで、父兄はあっちに行ったりこっちに行ったり動揺しているようですが、足立区の場合は少し特殊な事情もあるのでしょうか。続編を書くためまた足立区を調べるかもしれません。
投稿: 福地 | 2006年9月26日 (火) 06時12分