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2006年7月 2日 (日)

【教育】自閉症

下の娘は小6。昨日まで小学校の移動教室に行っていた。

出発日の朝、いつものごとくごねて行かないという。自閉症でわがまま天使のため、本人の気が向かわないとどうにもならない。

集合は学校で、7時30分にバスは出発。行き先は八ヶ岳。迫ってくる時間。こりゃ、だめだなーと思って見ていると、学校から電話がかかってきた。そしてかみさんと相談したあと、担任の先生があとから電車で連れて行ってくれるという。

これにはびっくりした。そんな遠い場所まで、一人だけ電車で連れて行ってもらえるとは。学校によるそこまでのサービスって聞いたことがない。

特殊学級は全部で10人ほど。そのうち6年生は2人で、林間学校への参加はうちだけ。ということで、M先生は、この林間学校に関しては、うちの子の面倒だけ見ればいい立場なのだろう。

9時頃、うちの子の様子を伺ってからM先生が来宅し、八ヶ岳に向けて出発。2泊して昨日帰ってきた。もらった記録によると、相変わらずゴチャゴチャ面倒をかけたようだが、面白く遊んだようでもあった。

学校では、この厳しいM先生によってビッチリしつけられ、面倒を見てもらっている。そのあとの学童保育では、また一人S先生がついて、こちらもビッチリ面倒を見てもらっている。なんという恵まれた福祉環境なのだろう。

いま少子化で、都内23区では学年1クラスなどの小学校が増えている(地域による)。そのことによる恩恵を我が家はものすごく受けている。払っている税金と受けているサービスは比較にならない。

もっとも、単純に少子化のためというわけではなく、運も大きい。ぼくの甥(姉の子)も自閉なのだが、徳島県に住んでいる。彼も小学校の特殊学級で、その年だけたまたまマンツーマン状況になった。ビッチリ面倒を見てもらって、小学校の途中から普通学級に移った。そのまま高校まで進み、いま私立大学の1年になっている。

みんなを感動させたのは、大学よりも高校に入ったときだった。まさか、あの子が高校まで進める日が来るなんて…。その知らせを聞いたとき、親戚一同は言葉にならない思いを噛みしめたのだった。ぼく自身、近年あれほど感動したニュースは他になかった。本人は相変わらず、宇宙人というあだ名通り、しゃーしゃーとしてるけど。

自閉症とはどういうものなのか、まだはっきりとはしていない。遺伝は関係なく、おそらく環境も関係なく、先天的な脳の一部の機能障害らしい。対人コミュニケーションが苦手で、言葉の発達が遅れる。この20年あまりで、遺伝も環境も関係ないらしいとわかってきて、親の育て方が(あるいは畑が)悪いという差別から解放された。

少し前にドラマ化された『光とともに』という自閉症児を扱った漫画がある。ドラマも観たし原作も読んだのだが、うちの子の方がちょっと楽かなと思う。それでも、とにかく手がかかることは確かで、普通の子の3倍は大変だろう。小4まで小学校への送り迎えをするだけでも相当大変だった。朝なかなか行かないしね。

そんな環境にあって、子どもの世話もろくろくせず、麻雀をやり狂っては、その挙句にやりたいことを仕事にして、それでいてギリギリまでやりたくねーなどと言っている自分ほど、わがまま者もいないかもしれないが、こればかりはどうしようもない。

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