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2006年6月25日 (日)

【麻雀】日本の麻雀ビジネス

竹書房の会長室に行ったら、先客がいた。ライアン・モリスというアメリカ人翻訳家の麻雀マニア。もう一人が初対面の人で、アメリカのブラウン大学の学生。日本の麻雀について卒論を書きたいため、訪日していろいろインタビューしているという。まだ21歳。日本語もけっこうできる。

内容について聞いてみると、やりたいのは「日本麻雀の文化と市場性」みたいなことらしい。日本は麻雀においては特異な国で、麻雀産業というものが成立している。全国に2万軒の雀荘があるし、麻雀メディアも発達している。そんな国は他にないから、現在の状況から出発して、なぜ日本はそうなったのかということをテーマにしたいという。

人文系学問の傾向として、日本では体系性などを気にするけど、アメリカは現実を優先し、それを研究する新たな学を気楽に立ち上げてしまう。例えば「観光学科」なんかがそうで、その産業が成立している以上は、その分野の研究があってもいいだろうということになる。しかし日本では(観光学科みたいなやつは立教にあったとは思うけど)そんなにフットワークはよくない。つまり、この彼のアプローチも典型的なアメリカ人のものだ。

いやー、いろんなヤツが出てくるもんだ。これにはびっくりした。ホント会長室に行くと、いろんな人に会うなあ。

来客があるから来るのを少し遅らせてくれと言われていたのだが、彼のことだったようだ。その場には会長と二人のブレインがいて、彼といろいろ話していた。そういうテーマだったら、まずオレんとこに来いよ、いくらでも語ってやるよと言いたかったのだが、さすがにそんなことは言わなかった。

会長が話していたのは昭和47年の「近代麻雀」創刊時のこと。

麻雀専門誌を出すために会社を興し、始めてはみたものの、半年ほどで借金が1億5千万(今の8億くらい)。もう夜逃げ前夜だ。そこでみんな手を引くことにしたけど、自分は社長だから辞められない。そこで内容を一新して、ものすごく初級者向けにした。と同時に、麻雀の漫画だけで臨時増刊号で出してみた。するとその臨時増刊号は完売して1千万儲かった。それからは臨時増刊を定期誌化して、出すたびに借金は1千万ずつ減っていった。

すると他社もマネし始め、一時は麻雀漫画誌が月に26冊出るというほど乱立した。しかし他社はリストラ要員にやらせていたのに対して、竹書房では本腰を入れていたから、最後まで残ったのも竹書房だったとか。

ぼくにとっては非常に面白い話で、まさにそんな内容の原稿を書いたこともあるんだけど、アメリカ人大学生の卒論に役立つのかどうかは疑問だな。

ぼくがアメリカ人学生に指摘したのは以下のようなこと。

・日本は世界ダントツの出版大国である(新聞の部数は異常なほど)
・その理由として、貧富格差が小さく、地域による言葉の違いや人種の違いなども小さかったため、マスメディアが広く受容される土壌があった。例)漫画&アニメ
・戦後の高度成長も、まず国内市場に向けて製品が作られ、その後、初期コストを回収してから、安くした製品を国外に輸出することによって成功した。
・全国の雀荘の分布を見ると、人口の差以上に大都市に偏在している。つまり麻雀は都市型の遊戯である。
・麻雀は遊戯だけど、メディアの一種のような役割を果たした。
・喫茶店、カラオケなどの“場ビジネス”において、日本は世界の最先進国であり、雀荘もその一種である。

彼はピンと来たような顔はしてなかったから、彼の求めるものとはズレた指摘だったのかもしれない。もっと現在の業界のありように密着したものを求めていたのかも。単なるミーハーの麻雀版なんじゃないか。

このテーマなど、彼に期待するよりも、ぼくが自分でやるべきものなのかもしれない。ただ、こういう内容を研究して、その文章に市場性があるかどうかは極めて疑問だ。それが日本の麻雀市場の欠点だね、というのは勝手な言い草でしょうか?

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コメント

福地せんせーってやっぱり頭良いんだな。

投稿: | 2016年4月14日 (木) 02時54分

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