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2006年6月27日 (火)

【つぶ】モヒカン公務員!?

山手線に乗ったとき、同時に乗り込んできた若い三人組がいた。明らかに異様な外見で、まわりの人たちは引いていた。

一人が金髪モヒカンの男性。とさかが15センチくらいおっ立っている。顔にはピアスが30個くらいついていて、耳、眉毛、鼻、唇と、ピアスだらけ。残る二人は女性で、一人はメイドっぽい服装で、一人はファンタジーっぽい服装。ファンタジーの方は髪に猫耳をつけている。

彼らの会話がなんとなく聞こえてくる。その内容は、なんと公務員試験の話だった。しかも、けっ、公務員試験を受ける連中なんてよーといった口調ではなくて、誠実な口調で自分の問題として語っている雰囲気だった。金髪モヒカンと公務員試験。まさに対称的な存在だ。

いま、日本はアメリカ型社会へとものすごい勢いで変わりつつある。その変化は政治や経済のものだけど、見えないところで個人のありようや人間関係も大きく変わっているはず。

たとえば「恋愛」。ぼくの子どものころに「付き合う」という概念はあったのだろうか。「婚約」から「交際」になり、それが「付き合う」となって、言葉が変わるたびに結婚という制度は弱体化してきた。この「付き合う」ですら、今ではその範疇におさまらない形態が増えすぎて、現実を反映しない。近いうちに新たな言葉が生まれるだろう。

たとえば「友だち」。サイバーツールの急激な発達によって、「友だち」や「知り合い」の形態も多様になっている。ネットの知り合い、ミクシィの友だち、リアルの知人。その種の関係を表すデリケートな言葉はなぜか発達しないから、うまく表現しようがないけれども、ネットをコミュニケーションツールとして使いこなしている人と使いこなしていない人では、交友関係や感情生活はまるで違っているはず。ぼく自身、ネットや携帯がなかった時代の感情生活はすでに思い出すことができない。

エロ本を見ると、「清純な顔してじつは淫乱」なんてキャッチコピーが今でもあふれている。だが、それが矛盾した存在であるがゆえに価値があるという神話は、すでに神話としてしか存在しなくなっている。かつて統一されていた社会的な記号が急速に分解しつつある。

個々の変化は技術によるものが大きいとしても、個人がまとう記号の分解は社会の質的な変化を表している。不良は不良らしく、ヤンキーはヤンキーらしかった時代から、金髪モヒカンが公務員試験を語る時代へ。そんな変化を思ったのだった。さすがに大袈裟?

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